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2017年03月03日06:18

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K先生

 懐かしい写真が出て来た。高校で国語を教えてくれたK先生。最初の授業で十字架を握りしめていきなり教壇で泣いた人。結婚式の1週間前に脳卒中で婚約者を亡くし、そのあれやこれやを本にした人。

 いつもはカウンセリング室に居て、文化祭ではギターの弾き語りもやっていた。当時写真部の部長だった私に「ステージで、ほら、ぱーって、光が当たってる写真。あれやりたい」と相談に来てくれて、小汚い(失礼)部屋で撮った写真がこれ。畳の部屋の前と後ろにライト置いて、周りは暗いカーテンで覆って...結構苦労したなぁ。

 6畳2間くらいの小さな下宿。そのうちの1間に大きなものから小さなものまで、マリア様がビッシリと並べられていた。先生自身が集められたものの他に、先生を心配した人たちが持って来てくれたものも数多くあるだろうと思った。婚約者を失った先生の苦しみの深さと共に、その先生を支えた人たちとの素晴らしい人間関係を想像させた。

 ふとネットでお名前を検索すると、もう定年退職されて、なにやらカウンセリングについての講演や、本の出版をされたりしているご様子。ところがその本の中に、なんと息子さんを事故で亡くした悲しみを綴られたものが1冊!またしても!

 卒業式の直前に、いくつかの「覚えていて欲しいこと」を語って下さった。

「死にたくなったら電話して来い。自殺ってのはいくつもの歯車がピタリと合った時にやっちゃうんだ。話してるうちに歯車がずれる。だからとにかく電話しろ」

「みんなに好かれたいと思うな。世の中にはどうしても好きになれない人、好きになってくれない人がいる。全員に好かれたいと思ったらおかしくなるぞ」

「高校時代の友達は一生の友達だ。中学までは子供、大学になったら打算も混じる。その中間の今の友達は、一生つきあえる本当の友達だ。大事にしろよ」

 他にもあった気がするけど忘れてしまった。

 写真は半切か全紙のパネルで差し上げた覚えがある。まだお持ちかな。いろいろと苦労され、また苦しまれたはずなのに、記憶に残っているのは人なつこいさわやかな笑顔。実は行きつけの喫茶店でお名前を聞いたこともあり、意外にニアミスしてるようだ。そのうちお会い出来るといいな。
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