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2017年02月27日09:40

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 三浦九段不正疑惑について、渡辺明竜王を弁護する part2

平成29年2月26日
弁護士法人横浜パートナー法律事務所
代表弁護士 大山滋郎

part1に続く

10.「手の分かれる」局面での「技巧」との一致
(1) 久保九段との竜王戦本戦準決勝
三浦九段の問題とされた4つの対局について検討してみる。
まずは、久保九段との竜王戦本戦準決勝である。41手目から、最終局の10手前まで計測して、4つのソフト間で見解が割れた手は、三浦九段の指し手では5手(46手目、52手目、54手目、70手目、80手目。なおマーカーをつけたのが、「技巧」と一致した手。以下同じ。)久保九段の指し手では、9手(45手目、51手目、59手目、61手目、63手目、67手目、69手目、79手目、81手目)であった。三浦九段が「技巧」の指し手と一致したのは5手中3手、一致率は60%だったのに対して、久保九段の場合は9手中3手、一致率は33.3%であった。(資料1 久保九段との竜王戦予選.pdf)


(2) 渡辺竜王とのA級順位戦
次に、渡辺竜王とのA級順位戦の対局を見てみる。こちらも、41手目から計測して最終局面の10手前まで、4つのソフト間で見解が割れた手は、三浦九段の指し手では6手(45手目、47手目、49手目、51手目、59手目、61手目)、渡辺竜王の指し手では、9手(44手目、46手目、48手目、50手目、52手目、54手目、58手目、72手目、80手目)あった。

三浦九段は6手中4手、66.7%の一致率に対して、渡辺竜王は9手中4手、44.4%の一致率であった。(資料2 渡辺竜王とのA級順位戦.pdf)


(3)丸山九段との竜王戦挑戦者決定戦第2局
丸山九段との竜王戦挑戦者決定戦第2局である。41手目から、最終局面の10手前まで計測した。4つのソフト間で見解が割れた手は、三浦九段の指し手では2手(59手目、61手目)であり、丸山九段の指し手では、4手(42手目、46手目、54手目、56手目)あった。三浦九段が技巧の指し手と一致したのは2手中1手、一致率は50%だったのに対して、丸山九段は4手中2手、50%の一致率であった。(資料3 丸山九段との竜王挑戦者決定戦第2局.pdf)


(4)丸山九段との竜王戦挑戦者決定戦第3局
同じく丸山九段との竜王戦挑戦者決定戦第3局も検討してみた。41手目から、最終局面の10手前まで計測して、4つのソフト間で見解が割れた手は、三浦九段の指し手では7手(41手目、45手目、47手目、53手目、57手目、59手目、65手目)で、丸山九段の指し手では、5手(42手目、44手目、58手目、60手目、62手目)であった。

三浦九段が技巧の指し手と一致したのは7手中5手で、71.4%の一致率だったのに対して、丸山九段は5手中一致するものはなく、0%の一致率であった。(資料4 丸山九段との竜王戦挑戦者決定戦第3局.pdf)


(5)4局総合の一致率
4局の対局で、コンピューターソフトの見解が分かれた合計数は、三浦九段の場合20手、そのうち技巧と一致したのが13手、一致率では65%であった。一方、上記4局における対戦相手たちの場合、ソフト間で見解の分かれた手は27手、そのうち技巧と一致したのが9手、一致率では33.3%にとどまった。(なお、この33.3%の一致率は、4つの同程度に強いソフト間で意見が割れた場合の、1つのソフトの指し手と一致する率としては、常識的なものと考えられる。)
上記の結果を無意識に「見た」、渡辺竜王はじめトップ棋士たちが覚えたであろう違和感を、理解して頂けたであろうか?

(6)トップ棋士たちが疑いを持った理由
トップ棋士にだけ見えていた、「手の分かれる」重要な局面における、「技巧」との一致率が、上記検討により、一般の人にも見えたはずである。この重要局面で、疑惑の4局では、三浦九段は他のソフト(これらも技巧と同程度の実力を有している)が選んだ指し手ではなく、「技巧」の選んだ手を、相当高い確率で選択していた。その一方、疑惑を持たれていない対戦相手の指し手を見てみると、「手の分かれる局面」において、「技巧」の指し手との一致率は三浦九段の半分弱である。
これらのことを無意識にでも「見て」、多くのトップ棋士たちがカンニングを否定できず、三浦九段に話を聞くことに同意したのだと思われる。同じく、この現象を「見た」渡辺明竜王は、本件を将棋連盟で議論すべきと、問題提起したのであろう。
「技巧」を用いて研究をすれば、少なくとも序盤においては、「技巧」の示す手と同じ手を採用することは考えられる。しかし、それぞれの局面が個性的になってくる中盤以降では、ある特定の将棋ソフトで研究したからといって、そのソフトの選んだ指し手を選ぶことは考え難い。この辺の考慮も、棋士たちの判断に影響を与えたのではと思われる。

(7)ソフトのぶれについて
第三者委員会が指摘したように、コンピューターソフトによる指し手が、場合によってぶれるのは当然である。しかし、当方が確認した限り、何度やっても、上記の示す大きな結論が違ってくることはない。(なお、上記は何度か実験したうちの1回である。もっと高い確率のときも、低い確率のときもある。ただ、いずれにしても、相手方棋士の示す一致率とは大きな差がある。)(さらに、ソフトのぶれだが、一定の性能のコンピューターを使い、ソフトの考慮時間を1分以上取った場合には、それほど大きなぶれは起こらなかった。一方、考慮時間が10秒程度なら相当のぶれが起こる。第三者委員会が、相当大きなぶれを確認したというのが、どのような条件での検査であったのか、知りたいところである。)
なお、三浦九段の復帰後、対羽生三冠と対先崎九段との対局も同じように調べてみたことを付言しておく。4つのソフトの見解が分かれる場面での、技巧の示す手と、三浦九段の一致率は、4割程度の常識的なものに落ち着いた。ソフトの示す手にぶれがあるからといって、これも「偶然」ということで片付けられるのであろうか?

11.離席回数との関係
(1) 疑惑の着手と離席の関係
第三者委員会では、単に離席の回数と時間を調べて、それだけでは三浦九段の「黒」を認定できないと結論付けている。これは、どこが「手の分かれる」局面かについて、第三者委員会が客観的な資料をもって検討できなかった以上はやむを得ないことといえる。しかし、4つのソフトの見解が一致した場合を除いての検討が可能となった今、手の分かれる局面と、離席のタイミングを検討することが可能となる。

(2) 離席率の調査
当方で調べた結果、手の分かれた局面で技巧と同じ手を指していたときの離席率は、86%であった。(なお離席は、自分の手番のときのほか、一つ前の相手の手番のときの離席を含む。相手の手を予想してのカンニングは十分に可能だからである。)
一方、手が分かれた局面だが、技巧の指し手と一致しなかったときの離席率(一つ前の相手の手番での離席も含む)は、50%程度であった。
これらは、三浦九段の黒と、少なくとも親和性のある数字といえる。(なお、ほんの短い時間での離席でも、例えば特別対局室のトイレ等、見つかりにくい場所に通信機器を隠しておき、そこに外部からカンニング情報を流してもらう方法などを取ることで、容易にカンニングは可能であること、対局中見張っていた職員もトイレの中まで見張っていたわけではないことを付言しておく。)

(3) 離席と関連するその他の問題
なお、これは離席とは直接関係ないが、三浦九段の対局ビデオを確認していると、久保戦では、終局間際にセーターを脱ぎながら離席し、戻ってきて、丸めたセーターを押し入れにしまっている。丸山戦第3局でも終局5分前に何かを押し入れにしまう場面が残されている。
しかし、これらの事実については、第三者委員会の報告書では、全く取り上げられていないことを付言しておく。

12. 終わりに
(1) 改めて本「弁護」の目的
三浦九段を「黒」だと言い立てることではない。第三者委員会とことさら事を構える意思もない。ただ、「何の根拠もなく、三浦九段を黒だと誹謗中傷した。」「これは竜王戦の挑戦者から、三浦九段を追い落とすための陰謀である」などといった、渡辺竜王に対する誤解を解くことが目的である。この目的は達成できたと信じている。

(2)関係者の処分の前に調査が必要
日本将棋連盟は、第三者の意見を聞くことなしに早まった処分をすることの危険性を十分に認識したはずである。そうであるなら、三浦九段の「冤罪」問題で、理事等の関係者を処分する前に、「当時三浦九段に疑いを持ち、竜王戦出場停止とした判断は正しかったのか?」の点について、統計の専門家などを加えての調査が必要であると信じる。なお、これに関連して、第三者委員会と日本将棋連盟は、一致率等について資料の公開をすべきであろう。
日本将棋連盟が同じ過ちを繰り返さないことを期待し、本「弁護」を終わらせたい。


以上'魚拓'

以下感想


>>>渡辺竜王に対する誤解を解くことが目的である。この目的は達成できたと信じている。

と 、自画自賛しているが、論点の、ソフトとの「一致率」について何ら、目新しいところがない。

終局前に「何かを押入れにしまった」というところも、決定的な証拠とは言えない。

結果として、全然渡辺竜王の「弁護」になっていないと思う。

残念ながら、我々将棋ファン以上に、論点が整理されているとは思えない。

この程度の弁護なら、僕にでも出来る。

もしかしたら、小暮克洋氏が、大山滋郎弁護士事務所の名を借りて、up したと勘ぐられても仕方がないレベルだ。




また、>>>、「当時三浦九段に疑いを持ち、竜王戦出場停止とした判断は正しかったのか?」

の点について、統計の専門家などを加えての調査が必要であると信じる。>>とあるが、

第三者委員会は既に、「竜王戦開幕が迫っていて、やむを得なかった」という判断を下している。

そもそも、第三者委員会は、ことを蒸し返さない・・・

カンニング疑惑問題を後もどりさせないことを目的として設置されたと、僕は解釈している。


三浦九段は、敢えて名前を挙げていないが、一部の棋士と

将棋記者の小暮氏を名指しで、許せないと言っているのだ。

もし、小暮氏の主張が正しいのなら、逆に、三浦九段を名誉毀損で訴えないといけない。

小暮氏は、朝日新聞社の将棋記者を辞めさせられたので、制裁は受けているのだが、

それでも、恐らく自費で、大山滋郎氏に弁護を依頼しているのだ。

将棋記者として、所属のメディアにペンを奪われても尚、

「渡辺竜王を擁護したい」ということなんだろうか?

「ブンヤ暮し三十六年」http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1942223846&owner_id=31894606 のように、

「小暮克洋が嫌いになっても渡辺竜王は、嫌いにならないで下さい」という心境だったのか?



第三者委員会の委員長(=但木敬一・元検事総長)は、

出場停止'処分'は間違いで、出場停止'措置'が妥当であったと指摘した。

処分では、疑惑がシロかクロかはっきりしていないので、不適当。

措置なら、第三者委員会の裁定までの一時的な待遇である。

その部分の間違いだけでも、谷川理事長と島常務理事の引責辞任の根拠となりうる。

昔、阪神淡路大震災に際し、初動の遅れを指摘されて、当時の村山首相は、

「なにぶん、初めての事で」と答弁して非難された。

ことほど左様に、政治家の場合は、結果責任(無過失責任)が問われる。

将棋連盟の場合でも、疑惑の段階で、決断を迫られて、

結果として悪手を指した以上、理事長の引責辞任は仕方がないだろうと思う。

将棋は、うっかり二歩や二手指しをしただけでも、即、負けになる。

だから、結果責任(善意無過失責任)は、当たり前の世界だ、

1局を負けにしたということだ、

局後に、あの時どうすればよかったのか、という検討は入念になされるべきだ。

それが、必ず棋力の向上に寄与するからである。

今回の一件で言えば、
○プロが、しかもA級棋士がソフト指しを行った
○ソフト指しをやってない棋士が処分され、メディアに大きく取り扱われた
真実はどちらかであり、どちらに転んでもとても哀しい結末に、なるだろう
将棋ファンはガッカリしている。
というところで、竜王戦が、代わりの挑戦者で行われ、渡辺竜王が防衛を果たした直後、

その第三者委員会の裁定は、
【ソフト指しをやってない棋士が処分された 】であった。


>>>《確たる証拠》か《本人の同意》がない限り、

日本将棋連盟は《不正は存在しない》という立場を取るしかなかったのだ。

週刊誌に疑惑を指摘する記事が出たとすれば、三浦九段と一緒に名誉毀損で出版社を訴えるという構えでよかった。

対局の公正が疑われ、棋士の人権が侵された時に当事者として立ち上がらない《連盟》などというものに、存在する意味はない。

>>>・・・by(山崎元)


>>>三浦九段が休場届を出したとしたら、本人も常務会にも大きな責任が生じます。

棋士には対局する権利と責任があり、常務会はその権利を守るべきです。

なぜ常務会は基本的な判断を間違えたのか。

将棋でいえば、1手詰めが解けないようなものだ。

有力棋士に言われてグラグラするようではなげかわしい。総辞職に値する重大な過ちだ。

・・・by西村一義九段(三浦九段の師匠で、将棋連盟の元専務理事)



>>>私(田丸)は昨年10月にこの問題が発覚したとき、常務会がどのように対処しても、連盟に「勝ち」はなく「負け」になると思いました。

それならば谷川会長は三浦九段の立場をまず守り、

告発した渡辺明竜王と竜王戦の主催者の読売新聞社に対して、「会長辞任」を覚悟に必死に折衝すれば、きっと道は開かれたはずです。

これは結果論で言っているのではなく、そのときに思いついたものです。

私(田丸)は常務会に対して、「三浦九段の問題はまだ何も解決していない。

検証委員会を設立して真相を究明すべきだ」と主張しました。

しかし事態を早く治めたい常務会は難色を示しました。

まあ、責任をさらに追及されたくないのでしよう。

>>>・・・by(田丸昇九段)



というのが、山崎元(経済評論家)・西村一義九段・田丸昇九段の局後検討(感想戦)だった。







人間、誰でも(プロ棋士であっても)悪手を指してしまうことがある。

無謬な人間などいない。

「それも一局」である。

敗者が負けを認めて、勝負は着いたのだ。

渡辺竜王も、竜王位就位式のときに、三浦九段に謝罪している。

勿論、三浦九段の名誉回復は、これからやらなければならない。

局後に、あの時どうすればよかったのか、という検討は入念になされるべきだが、

その悪手をいつまでも引きずらないのも、将棋というものであり、

勝負の潔さというものだ。

渡辺竜王も充分傷ついていると思う。





田丸九段の提案する、検証委員会の設置も、お金のかかる話なので、

対局に電子機器の持ち込み禁止・対局中の外出禁止というルールが布かれた以上、

一旦、「ソフト指し疑惑はシロということで」幕引きをするのが、

プロの勝負師集団ではないのかな?



















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