『アウトバーン』

『アウトバーン』

　『マッドマックスFR』ではウォーボーイズ役でかっ飛ばしていたニコラス・ホルト。本作では名だたる名車を次々と乗りこなす。
ホレた女のために一度は止めたヤバい仕事にもう一度手を出して危険に身を投じるアクション・サスペンス映画。
邦題にあるアウトバーンでのカーアクションはあまり多くないが、狭い市内での追走劇には手に汗握る。
次々登場する欧州車のカタログ映画のようでもあり車好きにはたまらないのでは？

　動機付けや展開など定番ともいえる内容だが、キャストが豪華。
ヒロインに『博士と彼女のセオリー』でオスカーノミニーを果たしたフェリシティ・ジョーンズ。
マフィアのボス役にベン・キングスレー、実業家の顔を持つ麻薬王にアンソニー・ホプキンスの二大オスカー俳優を揃える。
それもひとえに製作がジョエル・シルバーだからだろうか。
娯楽度満点といったあたりもジョエル・シルバーだな。（笑）

　N・ホルトとF・ジョーンズのラブロマンスよりもB・キングスレーとA・ホプキンスの対決の方が重厚さがある。
ホプキンスは少し贅沢な配役かもしれないが、キングスレーのネジの外れたマフィアの親分役は実にケッサク。
原題はcollide（衝突する）で、車も人間もそうだということなんだろう。

　やや唐突だったり、強引だったりする箇所もなくはないが、小難しいことを考えずに楽しむには良いような痛快アクション映画。