mixiユーザー(id:11939455)

2016年06月17日02:27

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『マネーモンスター』

マネーモンスター

 自己責任という言葉をよく聞く。
財テクにはどれもが一長一短であろうことは誰しも心の底では分かっていても、つい“プロ”の口車に乗ってしまいがち。

 財テク番組「マネーモンスター」で全てを失った男・カイルが巻き起こすライブ型のサスペンス映画。
これまで家族物を手がけてきたジョディ・フォスター監督の新境地か。
犯人が乗り込んできて人質を取るあたりは、少しばかり『狼たちの午後』を思い出す。

 世の中「カネ」が全てではないと思うが、成功の判断基準として分かりやすい数値が「カネ」だ。
特に世界から色んな人種や価値観の人間が集まるアメリカでは、誰にでも通用する肩書が「カネ」なんだろう。
リーマンショックの引き金となった金融界への落とし前の甘さに思い当る人も多いと思うが、そういう人たちの声を代弁するかのような内容にも思えた。
個人の問題から社会問題へ導く手順も理解しやすい。

 番組のパーソナリティを務めるリー・ゲイツ役がジョージ・クルーニーなのだが、冒頭のオチャラケギャグは少し寒い。
他に適任者がいたのではないかとも思うが、コメディ色強い俳優では財テクの信ぴょう性が出ないか。(苦笑)
慌てる現場をしり目に常に冷静な分析と対応を図るディレクターにジュリア・ロバーツが扮する。
ある意味この役は緊張感や責任を背負わされてきたジョディ自身なのじゃないかと思えてならない。

 社会性を織り込みながらもエンタメとして楽しませ、しかもわずか98分というのだからジョディ・フォスターの監督としての力量は確かに思える。
後半に進むにつれ一本道に感じるが、それでもテンポの良さを評価したい。

 人生は甘くないことを実感させられるが、他方では「カネ」よりも価値あるものがあるのではないかという問いかけも感じる。
それはカイル自身もわかっていただろうに…。

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