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2016年01月14日15:17

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寂しかったのかな

 私がいろいろお手伝いしていた夫婦の家は、昨年3月にお父さんが亡くなったあと、夏のお母さんの入院で半年ほど無人になっていた。ところがこのころ必要なものを取りに家に入ると、どことなく人の気配を感じてぞわぞわしたものだ。鍵を開ける時から始まって、台所に居ても、階段の上り下りも、トイレを使っている時や仏壇の前でお父さんに手を合わせている時ですら、私は背中に何かを感じて気味が悪かった。

 年末にお母さんが帰宅すると、看病の親族、ヘルパー、見舞客、往診などで2週間ほどバタバタと人の出入りがあって、気配のことは忘れていた。そして甲斐無く再びこの家が無人になると、あの気配が消えていることに気が付いた。今この家にはお父さんの位牌とお母さんのお骨があるのだが、夜中にひとりゴソゴソと書類を探していても、全く何も感じない。なんの気配も無い文字通りのただの無人の家だ。

 あれはもしかしたら、気弱なお父さんが、お母さんを探していた気配だったのではないか、と今は思う。 「なんだよ探したじゃないか。電話くらいしてくれよ」 「はいはい(また私がこの人の面倒を見るのか...)」  ふたりの会話が聞こえそうだ(笑) お父さんの一周忌はお母さんの四十九日と一緒に行う予定。

 写真は長身のお母さんにとても似合っていたお気に入りのコート。おしゃれで評判の人だった。時々ひなたぼっこしていたところに掛けてみた。
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