またまた訂正である。
前回作図した平射図法の図は緯度の歪みがひどく大きいと思ったが、一晩経って考えると、根拠は普通の平射図法世界地図と比べての見た目に過ぎなかった。つまり早まった判断だった。
メスクリン上の本来の緯度の間隔も低緯度ではかなり広がっているわけだから、投影した図がそうなっているというだけで歪みの判断はできない。これもまた計算するしかない。
楕円の弧長はちょっと計算できないが、緯度ごとの刻みで直線距離を比較するだけなら簡単だろう。
赤道から南緯10度までの子午線弧長Dは、
それを投影した長さDspは、
こんな感じで緯度について0°から90°まで10度刻みで計算した結果はこうなった。
10度―20度区間の歪みが一番小さく、それより低緯度でも高緯度でも大きくなる。高緯度で長さが縮小されることは予想してなかったが、投影方法から当然分かることだった。また、50度より高緯度では変化がほとんどない。つまりこの辺から北の地域は平面と見なしてもほとんど問題ないわけだ。
ということは、低緯度は円筒図法、中緯度は円錐図法、高緯度は平射図法という感じで分けるのが便利かもしれない。たぶんメスクリン上で実用に耐える地図帳はそうなるだろう。しかし今は「世界地図」を考えているので、あまり細かいことは気にしない。
というわけで子午線弧長については、南緯10度より南に限定すれば、平射図法でもほどほどの範囲に歪みを収められる気がしてきた。これは前に楕円の曲率円を考えた時の結果とおおむね一致する。
(注意:公式を少しだけ変えた。実際のX0は2.40ちょうどでなければならないが、式のとおりに計算したら2.425くらいになってしまった。検算したら離心率を0.91としたのが原因だった。有効数字を一桁増やして0.909、離心率の2乗を0.826としたらX0と長半径がだいたい一致したので、そのように訂正)
訂正した公式
メスクリンの地心座標と距離:
まだ緯度の弧長を考えていなかったが、これは半径をxとXにとった円周を比較するだけなので簡単だ。円周の長さは半径に比例するから、歪みの程度はxとXの比で表される。公式(m2)、(m3)から
となり、東西方向の歪みは南北方向に比べて小さいことがわかった。つまり南北の歪みが小さく収まる範囲では東西方向の歪みも解決するわけだ。したがって今後とも南北の歪みだけを考慮すれば済む。
なお10度刻みの折れ線で近似した赤道から極までの弧長は2.79万マイルになった。以前ケイリーの公式で求めた値は2.78万マイルなので、どうもあの公式の精度はあまり高くないのかもしれない。あるいは公式を適用するにはメスクリンが扁平すぎたのかも。Wikipediaには他にも近似式が載っているので、そのうち確認してみるか。でもこれは余談である。
ここまでで地図の大枠は固まってきたので、次回は緯度と重力の関係を考えてみる。
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