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2015年09月06日17:06

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米国の利上げはあり得るか



浅川嘉富氏のホームページ(2015年9月4日)を転載します。
http://www.y-asakawa.com/Message2015-2/15-message141.htm

発表される経済指標に注目

かねてから世界的な株価暴落が起きるとしたら、そのタイミングは9月から10月にかけてではないかと言ってきた。 そのきっかっけとなるのは米国市場か中国市場のいずれか。 中国市場は既にその前兆が8月から始まっており、第2段階が来週以降に始まれば中国政府が次なる買い支え策を講じることになるだろうから、しばらく戻した後の第3段階が大暴落の始まりとなるものと思われる。

景気減速が鮮明になっている中国と違って、米国はそれなりの成長率を保っているだけに、米国市場が先駆けとなる可能性は一見少なそうに見える。 しかし、米国には金利の引き上げの時期が迫っているという問題がある。

今月の連邦公開市場委員会(FOMC) の金利引き上げについては、市場の見方は中国の株価暴落でその確率は40%台に下がってしまった。 となると米国市場の暴落は当分先と言うことになってくるが、日本時間の今夜発表される雇用統計の数値次第では可能性は十分ありそうである。

その数値がいかなるものとなるかによっては、引き上げの確率だけでなく株価に対する影響度が大きく違ってくると、私は思っている。 就業者数の増加が22万人、失業率が5.2%というのが市場の予想であるが、発表される数値がこれより良い数値であれば、金利の引き上げの確率は高くなる。

一方、数値が予想以上に悪く、就業者数が20万人を下回り、失業率が先月と同じ5.3%だと、市場の金利引き下げの予測度は20%以下とさらに低くなるだろう。 金利引き上げは時期尚早と見なされる可能性が大きいからである。 

いずれにしろ金利引き上げについては2つの注目点がある。 最初の注目点は16、17日に開かれる連邦公開市場委員会で引き上げが実施されるか見送られるかどうかであるが、さらなる注目点は就業者数の増加が低く、失業率の回復が見られなかった後者のケースで金利引き下げが実施された場合である。

この場合は、金利引き上げ先送りと見ていた市場の予想に反したこととなるだけに、株価下落への影響は甚大となることが予想される。 そうした事態となった時には世界的株価暴落の口火を切るのは米国市場となり、その影響は即 、中国市場に飛び火し、秋から年末にかけ日々、世界の株価暴落のニュースが紙面をにぎわすことになりそうである。

現在この記事を書いているのは、9月4日の午後6時、徳乃蔵閉店後の時間である。 あえて記事を米国の経済指標が発表される前に掲載することにしたのは、私自身、発表される数値に左右されることなく、現在の私なりの考えをまとめておきたかったかったからである。 あと 4時間もすれば数値が発表されるものと思われるので、読者も関心をもって見ておいて頂きたい。


米雇用統計発表
浅川嘉富氏のホームページ(2015年9月5日)を転載します。
http://www.y-asakawa.com/Message2015-2/15-message142.htm

昨日遅くに記した「米国の利上げあり得るか」で、日本時間の昨夜発表の8月の米国の経済指標に注目していることを記した。 発表されるその数値は世界が注視している、米国の利上げの実施の有無を左右することになる重要な指標であるからである。 読んでおられない方は先にそちらを読んで頂きたい。

発表された数値は、就業者数の増加については市場の予想値の22万人を下回り17万3000人となった一方、失業率は市場の予測値より改善され5.1%となった。 結果的には、先行きの景気を判断する上で強弱両面が出たことになる。

就業者数が市場の予想値や7月の24万5000人に比べて大幅な減少となったことは、利上げの確率を小さくする一方、失業率の5.1%は逆に確率を大きくする良好な数値であったため、9月の利上げの有無については再び意見が分かれるところとなった。

ただ昨日のニューヨーク市場の株価が272ドルと大幅な下落となったところを見ると、中国の株価下落で利上げが遠のいたとする観測が広まっていたが、利上げの可能性が増したと判断する市場関係者が増えたようである。

あとは、我が国の日本銀行に当たる米連邦準備制度理事会(FRB)が、17〜18日に行われる理事会で下す判断を待つだけである。 ただはっきりしたことは、利上げが株式市場に及ぼす影響が予想以上に大きくなりそうだということである。

リーマンショック以来、大量のマネーのばらまきとゼロ金利政策によって景気回復をはかってきたわけであるが、発表される経済指標ほど景気の回復が進んでいないことは事実である。 史上最高値を更新し続けて来た株高で潤った富裕層がいる一方、賃金をカットされたり、非常勤雇用になって苦しい生活を余儀なくされている人々が増加し て来ているのが実体である。

そうした状況下で金利が引き上げられたら、株式市場にばらまかれたマネーは一気に回収され、実体経済以上に大きく水ぶくれしていた株価が下方修正される可能性は大きい。 利上げの有無については、しばらくは不透明感 の強い動きが続くこととなりそうであるが、当面気になるのは、中国の株価の動きである。 

先ずは、来週週明けの中国市場、特に上海株の動きに注目である。 いずれにしろ、中国の景気回復は絶望的だし、米国の利上げは9月は見送られたとしても年内の利上げは避けられそうもないため、私はこれから先、世界の株価が順調に回復すると いうことはあり得ないと考えている。



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