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2013年06月16日19:23

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自分の立場や権利ばかり主張する人たち

乙武さん、入店拒否騒動での“店名晒し”を反省……「冷静さを欠いた行為だった」
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=17&from=diary&id=2436558

 少々古い話になるのかも知れないが、乙武洋匡なる身障者が、車椅子を理由にレストランで入店拒否をされたことに腹を立てて、自身のTwitterで店名を明かして事の是非を問い物議をかもした事件についての、僕の率直な感想は、「このイタリア料理店の店主は気の毒だなあ」というものであった。

 事件の経緯に関しては、記事で読んだ範囲のものでしかないし、客商売である以上、いくら歓迎しない客であったとしても、もう少しソフトな対応があって然るべきかなあという気はするものの、乙武氏の方も少なからず問題がある。

 まずこの事件があった5月18日というのは土曜日で、場所は銀座、人気レストランということでもあれば、普通に考えれば繁忙日であろう。そういう日に体が不自由で自分では階段を上がることもできないような重いハンディキャップがあり、状況次第では他人の介助が必要ということであれば、予約する時点で予めその旨ことわっておくのが常識ある対応であろう。

 僕は身障者に対して極端な偏見をもっているとは自分では思わないが、身障者としての自分の立場や権利ばかりを声高に主張したり、周囲が自分の介助や手助けをするのは当然だと考えるような態度には反感を覚える。障害があることについては気の毒だと思うが、それは周囲の人たちの責任でもない。周囲の人たちが介助や支援をするのは、あくまで善意に基づく行為であり、当然に期待する性質のものではないからだ。文句があるのならば、報酬を払って自分専従のヘルパーでも帯同すればいいのである。

 できるだけ他人に迷惑をかけずに過ごすことが、社会人としての当り前の気配りだとすれば、身障者の場合、ただでさえ健常者よりも他人の手助け、社会の支援に頼らざるを得ない以上、せめて感謝する気持ちは常に忘れてもらっては困る。

 次に気に入らないのは、いくら店の対応に腹を立てたからといって、ツイッターで店の実名を晒して批判したことである。乙武氏は一応は有名人であり、自身の発言の影響力について知らないはずはない。それなのに、あえて実名を出して批判をするというのは、やり方として大人げない。

 いまはシロウトでも、ブログやツイッターで気軽に情報発信できる時代であるがゆえに、心ない誹謗中傷や個人情報の暴露、特定の相手への攻撃だって簡単にできてしまうことについて、我々はもっと自覚しないといけないし、便利な「飛び道具」の取り扱いに関してはお互いに慎重になる必要がある。発言に影響力のある有名人であれば、なおさらであろう。

 さんざん世間を騒がせておいてから、「冷静さを欠いた行動だった」なんて反省するフリをしても遅い。この店にとってはとんだ災難である。

 この店の店主の本音とすれば、忙しい土曜日に手のかかる身障者の来店など迷惑であったのであろう。予めわかっていれば、それでも何らかの対応もできたのかも知れないが、何の予告もなかったならば、いくらお客さんとはいえ、頭に来たとしても不思議ではないし、態度に出たとしても無理からぬことである。

 もちろん、客商売だから、そうした腹の内の感情を抑え込んで、気の効いた接遇ができれば、「素晴らしい」」と賞賛されたのかも知れないが、まあ、そこまでの店ではなかったのかも知れない。

 繰り返しになるが、身障者も生きる権利はあるし、自分のカネでイタリア料理店に行って食事をすることについて文句を言うつもりはない。だが、善意に基づく他人の介助や支援を「当然」だと思うのはお門違いである。当該料理店のサービス料金や食事代には身障者への特別な介助に要する手間賃までは含まれていないはずである。

 したがって僕が乙武氏の立場ならば、電話で予約を入れる時点で、自分は身障者でありエレベーターがないと自分では階段も上れない身体であるということをあらかじめことわった上で、必要な介助が期待できるかどうか尋ねるだろうし、もしそれが難しいのであれば、残念ではあるがその店で食事をするのは諦めるだろう。それが社会人として、他人にできるだけ迷惑をかけずに生きていくということではないだろうか。

 僕は乙武氏というのは『五体不満足』という本でしか知らないが、今回の事件を知り、僕の周囲にこういう人がいたら面倒臭いだろうなあという気がした。

 身障者に限らず、自分の立場や権利ばかりを声高に主張する人は周囲の人間にとっては扱いに困る面倒臭い存在である。世の中というものは、お互いの立場や主張が異なる者同士が、あれこれと互いに妥協し折り合いをつけるから、争いごとを回避し、毎日を平穏無事過ごすことができているのである。

 にも拘わらず、自分の主張ばかりして、気に入らないことがあると、ブログやツイッターで他人を名指しで批判なんかするような人物がもし自分の周囲にいたら、できるだけ関わり合いにならないようにするだろう。

 乙武氏が僕の友だちでなくて本当に良かったと、この記事を読んで思った次第である。 
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