この夏のあてはずれは、蝉が見つからなかったこと。 一気読みの予定が『夜の蝉』北村薫が見つからず、いまだ机の横に四冊がつまれたまま。念入りに文庫台をみているのですがねえ。
今月は予定終了と思っていたら、こちらを見つけてしまった。 『『やちまた』ノート』西尾明澄(二○○○年二月十五日編集工房ノア)。値段の表示もなく私家版なのでしょう。(ノアの本は値段が付いていても自費出版が殆ど)この本のことはこちら(http://b
VIKING同人で「日本小説を読む会」会員、大阪文学学校の講師でもあった北川荘平については、山田稔さんの新刊『天野さんの傘』に「一本一合 北川荘平と「日本小説を読む会」」に懇切に書かれている。その北川の旧蔵本が二三年前だったか、大阪のあちこちの
八月ももう終わり、どうも今月は沢山本を買い過ぎたような気がして手帳を繰って数えてみたら昨日時点で43冊だった。年初の目標は365冊未満に抑えるということだったから、今月はオーバーしているのだが、前月までを確かめると、一月と四月以外はマイナ
『月へのぼったケンタロウ君』柳美里と『キルプの軍団』大江健三郎を読了。『キルプの軍団』はずいぶん時間がかかってしまったが、理由は簡単で暑くて読書できなかったということ。クーラーを入れて涼しくしてということが出来ないのは、電気代がもったいな
『白の記憶』黒瀬勝巳の奥付に、「Masami Kurose」とある。「かつみ」だとばかり思っているので「まさみ」に驚くのだが、どちらが正しいのか。詩集や雑誌等(追悼号を含む)に読みを振ってあるところは見あたらない。一箇所、 『児童文学一九八○』に「つ
下鴨も含めてヒットがなかなか出なかった。T堺が150円均一ということなので、こちら向きと出かけたけれど拾えず、手ぶらで帰るわけにもいかないので、未所持の大江本一冊とこちらを。 『月へのぼったケンタロウくん』柳美里(2007年4月25日第2
下鴨で買った『貧時交』菊岡久利のことは書いた。寺島珠雄文を読んで、菊岡の第二詩集が気になってネットでみたら、矢野書房さんが安くで出していたので注文し、古書会館の帰りに直接お店でいただいてきた。 『時の玩具』菊岡久利(昭和十三年十二月二十二
コレハ!」と声を出したら、他にも4冊出てきた。 『詩学』(1999年6、8、9、11、12月号)。表紙絵は林哲夫さん。こんなものをまとめて置いておられるのは街の草さんしかあり得ない。同じく林さんの描かれた『ちくま』の束もありましたです。
昨日は古書会館のたにまち月いちの即売会だった。勇んで出かけたのだけれど、まったく何も拾えず、手ぶらで会場を後にすることに、初めてじゃなかろうか。ただし、開場まえに古本Kさんに、東京で最近みつけたという涸沢純平さんの詩集を見せてもらったから
『詩の窓』藤富保男(2011年12月25日思潮社)装幀・山口信博。これが百円なのはなぜだろう? ≪本書は『パンツの神様』(1979年)以降の雜想文が集められてい≫て、他人の詩や自分の詩を取り上げてあれこれ詩の技法などが書いてある。こんな詩
こちらが知らなかっただけのようで、ネットで調べるといろんな人がこの詩人について書いている。 『山本陽子遺稿詩集』(1986年5月20日)と別冊。年譜を写す。 1943年3月26日 東京都世田谷区奥沢にて出生 1955年3月 東京学芸大学附
こちらも下鴨の一冊。 『月刊文章臨時号 明治の文章・明治の文学』(昭和十三年七月二十八日厚生閣書店)。表紙絵は河野通勢。書いているのはこの方たち。 「明治時代 傑作小説 短篇化」という特集があって、こんな作品が短篇化されている。 この執筆
下鴨のR泊の全品五百円を初日に丁寧に見ておくべきだったと反省してもあとのまつり。 『貧時交』菊岡久利(昭和十一年一月二十日第一書房)函欠裸本ながら状態はわるくない。菊岡の名は寺島珠雄との関係で知っている程度。 『虚無思想研究第16号 追悼寺
下鴨のあるお店の三冊五百円(下鴨がこれが多い)で、この一冊を見つけて残り二冊に四苦八苦するよくあるパターン。 『働くをんな』長谷川時雨(昭和十七年五月八日実業之日本社)、装幀は鏑木清方と時雨本らしい。時雨がに亡くなって(昭和十六年八月二十
下鴨再訪、朝早くから会場をウロウロしてまわったが、これといったものに出会えなかった。例年何かは拾っているA尾さんやT岡さんが空振りに終わるとはおもいがけないことであった。初日に加藤一雄一冊だったF田屋さんの均一台を念のために覗いてみた。 『
『LUNA 第一巻第五輯』昭和十二年八月廿五日発行、編輯・発行人白神鉱一(中桐雅夫)。季村敏夫さんの『窓の微風』には、≪LUNA 中桐雅夫によれば、創刊は昭和十二(一九三七)年、発行所は神戸市湊東区楠木町三丁目三三-一、白神鉱一方。一時、島尾敏雄
『新譯徒然草』与謝野晶子(大正五年十壱月十五日阿蘭陀書房)。≪私は此に兼好法師の随筆集である「徒然草」を現代語に譯しました。≫と「新譯徒然草の初めに」で与謝野晶子は書きおこしているのだが、「源氏」を晶子が訳すのは、そうなのかと思わないでも
『世界文学 創刊号』(昭和二十一年四月十五日世界文学社)。これの第二号は持っていて、織田作の「夫婦善哉後日」の第一回が読みたいと思っていたのだった。(もちろん全集にあたればいいのですが。) 「第一章落第横丁」ですから、品川力がやっていた「
例年の通り9時過ぎには現地に到着、入口にあるA尾さんの均一台(三冊五百円)は透明シートなので点検すると、ウーン!数年前の河野仁昭旧蔵本放出と傾向は違うが釘付けになりそうな品揃え。あれもあるこれもあると思うがなぜか台の前で指で押さえて開場を
これを拾ったのは二年前でしたか。 納涼古本まつりが近づくと、あんな本にであいたい、こんな本があればなあ、と期待が高まるのですが、当日には、何か一冊「ヨシ!」と思える本にめぐり会えればといくぶん静かになっております。それでは行ってまいります
原民喜の『幼年画』も評判だそうで、ウンチクさんによると「この夏、イチオシ!」の本だとか。この本はなんとか手が出なくもないかと思いつつ、引き出してきた。 『原民喜詩集』(昭和二七年一○月三一日細川書店)、初版は昭和二六年七月三一日の限定五百
扉野良人さんのりいぶる・とふんから『浮田要三の仕事』という本が出たそうで、下鴨の帰りに善行堂さんに寄って見せてもらおうかと思っているのだが、なにかあったような気がしてさがしてみた。 「珈琲屋 ドリーム」の絵葉書である。これの挟まっていたの
『M/Tと森のフシギの物語』を終って、16冊目の『キルプの軍団』へ。 この作品の語り手は次男である。カバーに≪高校生の「僕」は、刑事の忠叔父さんとディケンズの小説「骨董屋」を原文で読み進めていくうちに、まるでそのストーリーが反映するかのよう
以前にも記したと思うが備忘的にメモしておく。 『田内静三詩集』富士正晴編(昭和五十六年九月十一日彌生書房)。田内が亡くなる(昭和五十三年九月十一日死去、七十七歳)前の年まで毎年一冊刊行した、『わがうた』(昭和四十八年五月十日木耳社)、『舊
先日の「続」とちがってこちらは時々天牛書店や天地書房の棚にささっているのを見かける。 『紙魚放光 尾上蒐文洞古稀記念』 家の少しは涼しいところをさがして、書痴の皆さんや古本屋さんの談義を聞かせていただくことにいたします。 猛暑日は今週中ま
河出文庫特装版は、版を重ねるなかでカバーを付けて特装版と名のったのだろうか。 『友情』武者小路実篤(昭和三十年七月三十日新装版第七刷)のカバーは岸田劉生で、欄外に「このカバーは「友情」初版本表紙を複製したものです」とことわりがある。いっぽ
『夕駅』道浦母都子を拾う手前の50円文庫台から一冊。 『フランス文学入門』大塚幸男(昭和三十一年一月二十五日三版河出文庫特装版)。カバー装幀は吉岡眞沙という知らない名。 第四篇の第十八世紀まではほとんど線引きもないのだが、第五篇の十九世紀