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日記一覧

 第1部 城塞都市の翳り  第10章 私室 リアは寝台の上で目覚めた。頭の芯にかき回されたような痛みが残り、奇妙な疲労感が体にまとわりついていた。 自分の部屋ではないと察した少女が身を起こしたそのとき扉が開き、アザリアが水差しを持って入って

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マイミクのC・トベルト様が描かれたオリジナルキャラのニバリを描かせていただきました。ご本人による原画では体の左半分が紫、右半分が黄色になっていますが、モノクロだと左半分が黒一色ということになって細かい部分が描きにくいので、あえて塗り絵の元絵

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 第1部 城塞都市の翳り  第9章 集会所 ラーダ寺院の中央に位置する広い集会所は、高窓から射し込む朝日が白亜の内装に照り映えて輝きに満ちていた。破邪の神格を祀る寺院にとって昇る朝日は闇の克服の象徴であり、その輝きをあまさず取り込み人々を力

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 第1部 城塞都市の翳り  第8章 見張り台 アラードと同期の戦士ガモフは、かがり火の燃える城壁の上で見張りに就いていた。背後には隊長のボルドフが立っていた。 ずんぐりした体格のガモフは敏捷さよりは力で戦う資質の持ち主だった。もちろんまだ若

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 第1部 城塞都市の翳り  第7章 寄宿舎 アラードと別れたリアはラーダ寺院に隣接する寄宿舎の自室に戻っていた。彼女の部屋は一階だった。五階建の寄宿舎は小さな砦のような造りになっており、年長者になるにつれ下の階を割り当てられる決まりだった。

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 第1部 城塞都市の翳り  第6章 ラーダ寺院 破邪の神格ラーダを祀る白亜の寺院は高い尖塔を備えていた。これこそ尊師アールダの5つの宝玉のうち主たる宝玉を頂く塔であり、洞窟の魔物が地中を掘り進み洞窟から脱出することを封じる結界の源であった。

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