mixiユーザー(id:7656020)

日記一覧

外伝8覚書の3
2016年05月29日21:11

外伝8のうち、アルデガンに赴くまでを描く第一の野営は次回の第4話で締めとなる予定です。今回の第3話から次回の第4話にかけて登場する魔術師のオボールという名は、RPGを自作できるファミコンソフト「ダンジョンキッド」で「嘆きの城」という吸血鬼ネ

続きを読む

第一の野営:東の荒野にて その三「そんなふうに軍を脱走した俺に行く先のあてがあったわけではなかった。どこに行っても内乱また内乱の西部地域からとにかく抜け出したいとは思っていたが、その方角が東や南ではいけない理由はなかったからな。 だが、俺が

続きを読む

第一の野営:東の荒野にて その二「前にも話したことがあると思うが、俺が剣を覚えたのは自分の村の自警団でのことだった。自分の村を、おふくろや仲間たちを守るため野盗どもと戦っていた。だから迷いなく剣を振るえた。わかるか、アラード」 分厚い肩の上

続きを読む

外伝8覚書の2
2016年05月15日06:42

3DRPGの元祖的存在である「ウィザードリィ」シリーズでは初期のコンピュータの貧弱な処理能力で可能な限り様々な職業の表現が模索されていたわけですが、僧侶になるためには信仰心の数値が決められた値に達していないといけないという扱いになっていて、

続きを読む

謎のアクセス
2016年05月14日20:50

ついいましがた、某なろうにて公開している拙作『封魔の城塞アルデガン』のアクセスを久々に見たら、これまで見たこともないようなパターンのアクセスがあってびっくりしました。なにがどうびっくりなのかは文章よりも画面のほうがわかりやすいと思います。要

続きを読む

「私は色の変わった水の底に沈んで動かぬ人魚の姿を幻視した。神の声はそれが海辺の民の村ルードでの出来事であると告げた。ちょうど私は大陸南部を旅していたから、ルードの村はすぐ近くだった。だから詳しい話を聞こうと思い、私は村を訪れた。 今から思え

続きを読む

「人魚というのは不思議な種族だ。陸の上の人間が火の力を手にして他を圧する存在に抜け出したのに対して、水の中に棲む人魚は自分に近づくものの神経に作用しその行動を止めたり狂わせる力を持つ。その力ゆえに彼らもまた水中における無敵の存在へと抜け出し

続きを読む

「私は神の啓示を受けた。それ以前のことは何も覚えていない。啓示を受ける前は覚えていたのか、それさえもうわからない」 語り始めたばかりで言葉を途切らせた黒髪の尼僧のまなざしに浮かぶ表情はロビンには計り知れないものだった。しばしの沈黙の後、少年

続きを読む

『遥かなる海辺より』(人魚の歌にまつわる小さなお話)                          ふしじろ もひと第3章(エピローグ) ホワイトクリフ卿が手記を読み終えると、大広間にはなんともいえぬ沈痛な空気が流れた。その場の誰もが知

続きを読む

『遥かなる海辺より』(人魚の歌にまつわる小さなお話)                          ふしじろ もひと第2章(ルヴァーンの手紙)その5 人魚の歌を聴いたあと、人々は久しぶりの漁に出た。人魚も波間に滑り込むと、舟を漁場へ導い

続きを読む

『遥かなる海辺より』(人魚の歌にまつわる小さなお話)                          ふしじろ もひと第2章(ルヴァーンの手紙)その4 人魚の話を聞いた私の胸に宿ったのは、彼女の歌をもっとその心にふさわしいものにできないか

続きを読む

『遥かなる海辺より』(人魚の歌にまつわる小さなお話)                          ふしじろ もひと第2章(ルヴァーンの手紙)その3 その後なぜルードに留まることができたのか、自分でも不思議に思う。今から思えば、私の動機

続きを読む

『遥かなる海辺より』(人魚の歌にまつわる小さなお話)                          ふしじろ もひと第2章(ルヴァーンの手紙)その2 ルードの村が見えたとき、季節はすでに夏を迎えていた。北国に生まれ育った私には、天頂から

続きを読む

『遥かなる海辺より』(人魚の歌にまつわる小さなお話)                          ふしじろ もひと第2章(ルヴァーンの手紙)その1 親愛なるアラン。 この手紙が届くころ、スノーフィールドは長い冬を迎えているはずだ。首尾

続きを読む