綾華☆☆様のコミュニティ「ZERO Another BALLAD」の設立2周年記念リレーに更新がありましたのでお知らせいたします。http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=71247131&comm_id=5150160&page=all−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−<EXリレーエピソード
コミュニティ『創作が好きだよ!』の企画『童話を作ろう!』への参加作品たる今作、全9回などという童話らしからぬ長々しいものになりましたが、なんとか完結いたしました。企画主のかーる様、連載中にご覧下さりました皆様、誠にありがとうございました。『
「おばあさんと風の乙女と」その9 遺言に従ってあばらやから少し西の、丘のふもとの木の根本におばあさんのお墓は作られました。その丘こそは、まだ幼かったおばあさんがあれほど心寄せた情景の舞台となったものでした。事情を知りえぬ村人たちはなにもこん
「おばあさんと風の乙女と」その8「そんな長い話も終わり、沈黙が訪れた。ふと気がつくと、空が白み始めておった。けれど白き魔性はわしを見るでもなく、月が薄れゆくのを見つめておった。わしは身動きもならず、その場に立ち尽くすばかりじゃった。 すると
「おばあさんと風の乙女と」その7「その目にどのくらい見られておったか、わしには定かに判じられなんだ。ほんのつかの間じゃったろうが、わしには永遠とさえ思えたのじゃから。やがてそれがいうたのじゃ。おまえは見たのじゃなと。静かな、低い声じゃった。
「おばあさんと風の乙女と」その6「そこは開けた場所じゃったから、空もうんと広く見えた。その天蓋いっぱいに満月の光が満たされていての、空からあふれ出た銀の光があらゆるものに降り注いでおった。そんな中、沼だけが黒々と静まり返っていたのじゃ。矢を
「おばあさんと風の乙女と」その5 女の子は思わずおばあさんの顔を見つめました。そんなことになって、おばあさんがどう感じただろうと案じられたからです。でもおばあさんに激したものはうかがえませんでした。ただ時に晒され澄んだ哀しみが、水面に落ちた
「おばあさんと風の乙女と」その4「二人がそうしておるのを、わしは飽かずに見上げておった。身を隠しておったわけではなかったから、こちらさえ向けばわしのことは見えたはずじゃ。だが二人は夢中じゃった。一瞬たりとも互いから目を離さなんだ。そのうち子
去る9月1日、闘病中だった指揮者の堤俊作氏が66歳の若さで亡くなられました。謹んでご冥福をお祈りいたします。 出身地こそ大阪でしたが1975年に東京シティフィルを設立したこともあり、大阪市音楽団に4年在任した以外の活躍の地は関東でしたから
「おばあさんと風の乙女と」その3「あの宵の月は、それはそれは大きかった。煌々と輝く月の光は荒野をあまねく照らし、迷子の子ヤギの姿が影に溶け込むのさえ許さなんだ。だからわしもそのイタズラ坊主を、苦もなく捕まえられたのじゃ。 怖いなどとは思わな
「おばあさんと風の乙女と」その2「もう何十年も昔、わしがまだ小さな小さな子供じゃったころ、この村は森に脅かされておった。この森は千古の昔から深い闇に閉ざされ、人ならぬ身の姫おわす魔の領土だったのじゃ。姫様の妖気に育まれ、森はあまたの村や町、
これはとあるコミュの企画に基づき、僕としては初めて童話の語り口で書き始めたお話です。同時に「アルデガン」の何十年も後の1場面を素描したものでもあります。 4〜5回になるとの予想を裏切り、延々9回を数えるものと相なりましたが、ご笑覧いただけ