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日記一覧

3つの来歴
2007年07月31日19:56

よそ様のページで長々と書くわけにもいきませんので・・・。吸血鬼と人魚とゴルゴンの3つははるかな昔から心の中に抱え込んでいるイメージで、由来は小学生時代にさかのぼります。一般的なイメージに最も近いのは吸血鬼ですが、これはやはり咬まれたら自分が

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お話の試作品(後半)
2007年07月24日00:57

 ラルダの言葉が途切れた。 その顔が苦悶に歪んでいた。脳裏に去来するものに耐えるかのように固く目を閉じ、歯を食いしばっていた。伸びた牙が唇を食い破り、血がしたたり落ちた。 あまりにも無残な話に、アラードは呆然としていた。 ゴルツはどんな思い

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お話の試作品(前半)
2007年07月24日00:53

    火口 アラードとゴルツが辿りついたのはそれまでの洞窟とは様子がまるで違う場所だった。 それまで洞窟の広がった部分はいくつもあったが、この場所はずばぬけて広かった。地面にはいくつもの亀裂が走り、赤い光が漏れ出ていた。広大な空間は硫黄の

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<お話の部品の試作>
2007年07月23日23:09

 洞窟でのできごとのうち1番難しそうなシーンを真っ先に書いてみました。 そもそもどのくらいの分量になるのか見当もつかなかった上、隙間時間に断続的に書いてきたので、長すぎるのか短すぎるのかもよくわからなくなってきました。 日付が替わるところで

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 今回はまずショスタコーヴィチの音楽が僕にとってどんなものなのかについて書いてみることから始めたいと思います。 ショスタコーヴィチの音楽との出会いは今から30年ほど前のLP時代に「交響曲5番」の廉価盤を買ったことによるものでした。ロヴィツキ

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夏休みの宿題
2007年07月09日01:12

 ここまで10個並べてきたお話の部品ですが、ここからは順不同で書いているのでそのまま並べたらお話がつながりません。 という訳で、ちょうど洞窟へ入るシーンで切りがいいので、ここでしばらく準備中とさせていただきます。 夏休みの宿題みたいなもので

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お話の部品 10
2007年07月08日06:29

    私室 リアは寝台のうえでめざめた。頭の芯にかきまわされたような痛みが残り、奇妙な疲労感が体にまとわりついていた。 自分の部屋でないことはすぐにわかった。彼女は寝台のうえに身を起こした。そのとき扉がひらき、アザリアが水差しを持って入っ

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お話の部品 9
2007年07月07日07:54

    集会所 ラーダ寺院の中央に設けられた広い集会所は高窓から射し込む朝日が白亜の内装に照り映えて輝きに満ちていた。破邪の神格を祀る寺院にとって昇る朝日は闇の克服の象徴であり、その輝きをあまさず取り込み人々を力づけることを目指してすべてが

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お話の部品 8
2007年07月06日00:53

    見張り台 アラードと同期の戦士ガモフはかがり火の燃える城壁の上で見張りに就いていた。背後には隊長のボルドフが立っていた。 ずんぐりした体格のガモフは敏捷さよりは力で戦う資質の持ち主だった。もちろんまだ若く経験不足であるため、ボルドフ

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お話の部品 7
2007年07月05日00:48

    寄宿舎 アラードと別れたリアはラーダ寺院の隣にある寄宿舎に戻っていた。彼女の部屋は1階だった。5階建の寄宿舎は小さな砦のような造りになっており、年長者になるにつれ下の階を割り当てられる決まりだった。アルデガンに生まれた者の常として、

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お話の部品 6
2007年07月04日02:14

    ラーダ寺院 ボルドフはアルデガンの中央にそびえるラーダ寺院を訪れた。 破邪の神格ラーダを祀る白亜の寺院は高い尖塔を備えていた。これこそ尊師アールダの5つの宝玉のうちの主たる宝玉を頂く塔であり、洞窟の魔物が地中を掘り進み洞窟から脱出す

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お話の部品 5
2007年07月03日02:02

    洞門 夜空を閃光が切り裂き砂地の上に影をいくつも焼き付けた。 コボルトやオークなどの亜人の一群の急襲だった。彼らは暗がりでも目がきくため動きが早く、若くて経験不足の戦士たちは押されていた。形勢不利と見て取った年嵩の魔術師ケレスが放っ

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お話の部品 4
2007年07月02日00:12

    路上 夜番の者と交代し宿舎に向かう時になってもなおアラードの昂揚は続いていた。だからリアに出会ったときにも、彼女の様子がいつもと違うことに気づかなかった。「聞いてくれ、リア。洞門番になったんだ!」 アラードは興奮した口調で初めての戦

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お話の部品 3
2007年07月01日08:37

    洞門 アラードが洞門番になって一刻もたたずに、彼らはコボルトの群れを迎え撃った。 亜人と称されるコボルトは犬に似た顔を除けば小柄な人間のように見え、粗末な胴着や蛮刀を作ることもできた。豚に似たオークともども人間にとっては生活の場にお

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