訓練所 激しい気合いの声が巨大な城壁にこだました。朝霧を断つ若者の一撃を大男の木刀がまっこうから受けた。 赤毛の若者はすばやく身を引き、隙なく身構えたまま大男と相対した。細身だが鍛えられた体に闘気をみなぎらせ、鳶色の目で相手を見すえ
「封魔の城塞アルデガン」 ふしじろ もひと 羽田健太郎氏の霊と いと昏きWizardryの思い出に プロローグ 暗黒に閉ざされた大地を、滝のような雨が打ちすえていた。 ごうごうたる轟きの
今回はまずソナタ形式というものを僕がどう捉えているか少しまとめておこうと思います。 ソナタ形式は18世紀から19世紀にかけて恐竜の進化さながらに変貌を遂げたクラシック音楽、特に交響曲を読み解く重要なキーワードだと思います。僕の考えるところ
ここまで僕がちびVAIOに組み込んだ超漢字でやっている作業のイメージになるべく近くなるようにお話のパーツを並べてみました。 このお話はMSXでワープロを打つようになる以前からアイデアだけはあったものですが、1度は通勤電車の中で手帳にあれこ
アルデガンの大司教。69歳。ラルダの父。 髪も長いあごひげも白くなり緑の目も深く落ち窪んでいるが、その老いた体を支える厳しい意志はなお揺るぎを見せない。 ゴルツが大司教となった頃のアルデガンは危機的な状況を迎えていた。魔物の脅威はアルデガ
魔術師の術と僧侶の技の両方を身につけている者。 これは修行に大変な歳月をかけることを意味するためその両方を極めてなお実戦に臨める者は稀にしか出ない。これを大司教と呼び、術者が極めうる最高の境地である。 大司教の称号を得ることは、すなわちア
アルデガンの指導者の1人。37歳。リアの名付け親。 上背のある優美な姿と豊かにうねる亜麻色の髪、強さを秘めながらも人を威圧することのない灰色の目の持ち主。 かつてはアルデガンにおける最高の魔術士の1人であり、優れた判断力で最も戦況にふさわ
術者自身や物を離れたところに転移させる魔術士の術。 魔術士の魔法の中でも最も精緻で難易度の高い術であるが、その難しさは距離よりもむしろ到着点を厳密に指定しなければならない点にある。特に高さ方向の位置指定が困難で、失敗すれば虚空や地中に実体
アルデガンの元魔術師。40歳 年齢に似合わず白いものが増えた鉄灰色の髪の下の顔は左目が無残につぶれ、残る右目も黒々とすさんでいる。 自らの力を誇る激情家で火術系の術についてはアルデガン1の術者であり、魔物との戦いでも誰よりも多くの戦果を上
人間たちが魔物を洞窟に追いつめアールダがゴルゴンと約定を交わしたとき、魔物たちの中に吸血鬼はいなかった。アルデガンの吸血鬼は光を嫌うものが身を潜める闇を求めて外部から侵入したものである。 吸血鬼の犠牲となった人間が無事に転化を終えられる環
アルデガンの元尼僧でアルデガンの大司教ゴルツの娘。人間の年齢では38歳。 その美を称えられた黒髪は乱れ、緑の目は歪んだ光を放つ。 20年前吸血鬼にさらわれ転化させられた。その嗜虐的な吸血鬼は完全な転化を終える前に彼女が愛していた戦士の喉を
洞窟の最深部に潜み洞窟内の全ての魔物を守護する存在。本来はこの世界に属するものではなく、異なる星界から飛来した。 背が緑で腹が赤のきらめく蛇体に金色の翼をもち、女面に似ていなくもない頭部には髪のかわりに無数の触手が蠢いている。しかし外見上
封魔の城塞都市アルデガンを創設した僧侶。アルデガンの名称は彼の名が語源になっている。 人間と魔物が戦っていた時代において、人間たちが魔物をからくも洞窟に追い詰めることができたのも彼の底知れぬ力があればこそであった。 しかし戦いが最後の局面
戦士でありながら僧侶としての修行を積むことで、癒しの技や吸血鬼の存在を消し去る解呪の技を身につけた者を呼ぶ呼称。1つの国を治めるだけの器量を持つ聖戦士という意味で本来は君主を意味するこの呼称が与えられたものと想われる。 アラードがリアとの
僧侶や司教、ロードが信仰により高められた意思の力で吸血鬼の存在を根底から禁じることにより消滅させる技。 もともとは人間をその肉体のみならず魂をも消し去らんとする呪殺の邪法であったものを、ラーダ教団が吸血鬼を滅ぼすものとして作り変えた。術者
この世で最初に生まれたとされる吸血鬼であり、その起源は種族としての人間の誕生の時まで遡るという。 身の丈ほどもある長い雪白の髪と深い碧眼の黒衣の乙女の姿で世界をさまよい歩いているといわれ、ある時点からは髪に大きな赤い薔薇の花を挿していると
吸血鬼に咬まれた人間が吸血鬼になること。そのプロセスに応じて結果が変化する。 吸血鬼に血を吸われて死んだ人間は、半日かけて肉体が変移し意識のないまま蘇る。そして一昼夜かけて盲目的にさまよい出会った人間の血を吸おうとする。 人間の血を吸うこ
人間の血を糧とする魔物。ただし他の魔物と大きく異なるのは種族として存在するのではなく人間が転化により変化して生まれた個体がほとんどであることであり、生まれながらの吸血鬼は白髪の乙女の姿をした最初の1人しかいない点が決定的に異なる。 吸血鬼