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日記一覧

文系と理系:習い性
2017年09月30日03:20

 学生、特に大学に入りたての学生は文系でも理系でもありません。本人たちは文系か理系か勝手に信じ込んでいるのですが、実は本人たちこそわかっていないのです。文系、理系の違いを植えつけられた教師たちの方で勝手に仕分けただけに過ぎないのです。むしろ

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 人が好奇心をもたなければ、謎に満ちた世界はどこにもない。好奇心をもって世界を眺めると、世界は謎だらけの興味深い対象に変貌する。人が何の関心も興味ももたなければ、世界は惰性的な塊に過ぎなく、心躍る神秘的対象にはならない。謎に満ちた世界は好奇

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気配から到来へ
2017年09月28日14:10

 秋は気配だけでなく、確かに到来している。その証があちこちに見える。 金色の穂が秋風に揺れる野の横では、カリンが既に大きな青い実をつけている。芳しい香りを強く放ち、果肉は堅く、生食には不向き。だが、カリンの果実に含まれる成分は喉の炎症に効能

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和色:例えば、紫
2017年09月27日08:44

 人は食うことに執着する。さらに、人は火と食べ物を結びつけ、料理を始めた。それが、食うことを楽しみに変えた。味わうことを知った人は調理する術に執着し始める。これは日本人も然りで、和食は欲と快楽の結晶。そのあからさまな煩悩の極みを消化ではなく

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科学的な説明
2017年09月27日06:08

 アリストテレスは自然の現象変化を因果的に説明しようとしました。その「因果的」説明は4つの原因をすべて含む豊かなものでした。4つの原因の中の機動因を使った因果的説明をニュートンは科学的な説明として初めて形式化しました。それは「仮説演繹法」であ

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堤防端の路地
2017年09月26日05:51

 路地(あるいは露地)は、文字通り天井を覆うものがない地面のこと。かつて下町の家と家の間には狭い通路が縦横に走っていて、路地、路地裏などと呼ばれていた。狭くて消防車も救急車も入れない。 そんな路地だらけだった月島や佃も再開発が進み、路地は随

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大義あるいは第一義
2017年09月25日07:02

 「大義」という言葉は、何とも大袈裟で虚勢を張っているといった印象を人々に与える。大義などとわざわざ言わなくても以心伝心でわかるという庶民の風土には馴染まない言葉である。似た言葉を探せば「義」、「一義」、「一理」、「第一義」等々、結構あって

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開いた大屋根
2017年09月25日05:02

 屋根付きのフィールドやグランドがかつてよく造られた。近くにある有明コロシアムの屋根は開閉式である。建物の両側にレールが敷かれていて、屋根がそのレール上を左右にスライドする。何気なく見ると、その屋根が開いている。大会があり、昼にメインコート

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誰の、何の都合?
2017年09月24日13:01

 世の中はそれぞれの都合で動いてきた。街も美術館も、そして学校や国も、さらには制度や規則も、それらがあるのはことごとく人それぞれの都合から。 最近は地球や自然の都合が私たちの生活を脅かすことしきりである。地球温暖化、地震や洪水は結局は人の都

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紫色
2017年09月24日06:51

 近くの公園に立派な花壇があり、様々な花が植えられている。色の種類も多く、実に見事と思いながら、それぞれの色を花の種類ごとに見直すと、色合いのバリエーションは意外に小さいものだと思い出す。例えば、紫色。4種類の花を見比べてほしい。ほとんど変

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(復習) 古典力学をベースに対象の運動変化を考えると、運動中の対象に決定していない状態があるというのは考えにくい。時空が決まれば、運動する対象の状態、つまり、対象の力学的な物理量は特定の時刻と場所で決まっているというのが大前提である。実際、

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その前に 古典力学をベースに対象の運動変化を考えると、その対象に運動中決定していない状態があるというのは考えにくい。時空が決まれば、運動する対象の状態、つまり、対象の力学的な物理量は特定の時刻と場所で決まっているというのが大前提である。実際

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人の都合
2017年09月23日06:33

 荒川と隅田川という名称は人の都合で変えられた。隅田川はもともと荒川の下流だったが、「荒川放水路」の完成によって隅田川と名前が変わった。荒川放水路(現在の荒川)と隅田川の分岐点は、北区の岩淵付近。荒川放水路を荒川、本来の荒川下流部が隅田川と

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いつもの秋
2017年09月22日04:40

 ありきたりに小さな秋を見つけるもよし、秋の実りを楽しむもよし、そんなことができる幸せが如何に脆いものか肝に銘じて生きていくべし、などとついしんみりと感じ入るのも秋ならではのこと。 何かが僅かでも狂うと、自然であれ、社会であれ、精神であれ、

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(今回もアリストテレスの影響の強さ、呪縛の内容についての話) アリストテレスは他の動物との比較によって人の生殖を研究した最初の人であり、彼の考えによれば、精子が胎児を産み出す種をもち、月経の血がそれを成長させる土壌となる。アリストテレスは、

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青雲丸
2017年09月21日06:01

 何とも青臭い名前なのだが、若者たちの訓練をする船となれば、あらかたの日本人はこの名前に納得してしまうのではないか。散歩で偶然に出会った青雲丸は、到着したばかりで、停泊するための作業中だった。 青雲丸は海技教育機構の練習船。東京海洋大学や海

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 不眠症になったらアリストテレスの『形而上学』を読むべきだと昔から言われてきたが、不眠症になったことのない私には確かめようがない。だが、『形而上学』だけでなく、彼の書いたものは総じて退屈で、面白みがない。にもかかわらず、その内容は最も多くの

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彼岸の入り
2017年09月20日11:29

 不吉だと嫌われる彼岸花。毒を持つが、水に晒すことで毒は抜ける。田んぼの端に群生しているのは、飢餓に備えた名残とも。別名は曼珠沙華。 此岸(しがん)は、私たちの住んでいる世界のことで、欲や煩悩にまみれた世界。別名は「娑婆」。彼岸(ひがん)は

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アリストテレスの論理学
2017年09月20日06:13

 アリストテレスは最高の知恵者にして、万能型の天才。その彼は推論、論証、証明を真面目に考え、形式化した最初の人である。彼が開発した「三段論法(syllogism)」についてだけ述べることにしよう。アリストテレスは推論が命題から構成され、二つの名辞M、

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隅田川下流河畔
2017年09月19日06:45

 隅田川は鐘ヶ淵より下流の名前で、上流は荒川。「宮戸川」は隅田川の旧名、浅草近辺では「浅草川」、そして大川とも呼ばれてきた。だから、隅田川の下流の河畔(特に右岸)は大川端で、広重の名所江戸百景の「浅草川大川端宮戸川」はいずれも隅田川の名前で

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台風一過
2017年09月18日11:14

 台風が通り過ぎ、空が晴れ渡ることが台風一過。台風が来なければ、その後の上天気もない。騒々しい実験、試験なるものが終わって、台風一過となってほしいでものである。(画像は東京湾岸、レインボーブリッジから豊洲大橋まで)

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連鎖論法(Sorites)
2017年09月18日06:30

 「ならば」の二つの意味について次のように述べました。諺「風が吹けば桶屋(箱屋)儲かる」の初出は浮世草子『世間学者気質』で、「今日の大風で土ほこりが立ちて人の目の中へ入れば、世間にめくらが大ぶん出来る。そこで三味線がよふうれる。そうすると猫

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復興の鋼橋
2017年09月17日14:52

 関東大震災後の復興では隅田川に架かる鋼橋は高張力鋼が使われ、清洲橋、永代橋、勝鬨橋など独特の容姿をもっています。これらの橋梁に大正ロマンを感じるのは私だけではない筈です。 (勝鬨橋)(永代橋)(清洲橋) 隅田川の橋梁だけでなく、日本橋川や

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(大抵の人が考えるのも嫌だと思っている話) 「Aならば、Bである」という文は子供でもわかる単純な謂い回しです。この中のAやBはそれぞれ文を指していて、それら二つの文が接続詞「ならば」で結ばれています。そして、「Aならば、Bである」は論理的な前提―

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湾岸風景の一断片
2017年09月16日14:58

 東京の湾岸部は変貌を続けている。晴海から竹芝、日の出にかけての風景で、晴海、汐留、浜松町の高層ビルが林立している。左端の近くには新日の出橋のアーチが微かに見える。橋の中央にアーチが一本の単弦ローゼ橋である。右手にクレーン群がみえるが、東京

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 昭和の後半を生きてきた私には昭和は過ぎ去った現実の系列。その昭和の物たちが古いという印象を与えるようになって既に久しい。平成生まれの若者たちだけでなく、昭和生まれの人たちにも昭和は古い香りがするようである。新鮮で流行の先端を行っていた筈な

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萬年橋
2017年09月15日05:47

 萬年橋は小名木川にかかる橋。萬年橋が架橋された年代ははっきりしないが、1680年の江戸地図には「元番所のはし」と記載されている。おめでたい名称「萬年橋」となった時期は不明。 小名木川は江戸へ行徳の塩や、近郊農村で採れた野菜、米などを船で運び込

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以前の(問)への解答例
2017年09月14日13:30

 9月11日に「ユークリッド幾何学から非ユークリッド幾何学へ」というタイトルのノートを書きました。そのノートに二つの問いを出しましたが、その解答例を以下に書きます。気になっていた諸氏は前のノートと併せて参考にしてみて下さい。(問)平行線の公理

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神の存在証明から(2)
2017年09月14日04:55

 トマス・アクィナスの推論は次の通りだった。世界の出来事が無限にないことを仮定し、どのような出来事にも原因があり、その原因にはまた別の原因があるという具合に、原因を遡及する系列を考えた場合、それは無限に遡及できないことから、それ自身では他の

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 信仰をもつ人には必要ないことでも、ギリシャ的な好奇心が神の存在証明を求め、トマス・アクィナスもそれに従いました。『神学大全』で神の存在を証明した第1 部第2 問第3 項の最後の部分を見てみましょう。ラテン語の原文と見比べてみて下さい。登場する単

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