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日記一覧

[経験の構成] ものを見たとき、視覚器官である眼に起きていることと眼が何を見ているかの間には根本的な違いがある。カントはこの違いから、事物が見えるのは、私たちが見ているからであると考えた。そこから、私たちが経験している世界は私たちの精神(=

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南極観測船
2017年10月31日05:14

 晴海にオレンジ色の船体の船が停泊している。「しらせ」である。言わずと知れた文科省国立極地研究所の南極観測船で、艦の運用は海上自衛隊(自衛隊では砕氷艦と呼ぶ)。画像は先代の「しらせ」。南極観測は、国立極地研究所が中心となって1956年よりおこな

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 確率とは何か。ベイズは確率を出来事に与えられるべき信念の度合と考えていたが、明確な説明はしていない。ベイズは条件付き確率の単純な場合を計算できた。だが、新しい証拠として条件付き確率をつくることによって変化する確率の過程も常に1に収束するだ

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豊洲市場
2017年10月30日05:01

 豊洲に新市場が建設され、既に随分と経つ。もっとずいぶん経つのは、環状2号線、豊洲大橋、築地大橋で、それらは未だに工事用車両が一部しか通れない。認知症気味の東京都民がもう忘れても一向におかしくないほどに時が経ち、あの都知事を先頭に騒ぎ立てた

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自然の風景と人工の風景
2017年10月29日14:52

 戦後の埋立地に住んでいると周りは何から何まで人がつくったものと言ってよく、確かに植物はどれも自然種なのだが、雑草以外は人が育成したもの。それは自然の風景というには気恥ずかしく、人工的な擬似自然風景と呼んだ方がいいだろう。それでも住めば都で

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  指で指し示しながら、「これはXだ」と言うことを「指示(denotation, reference)」と呼んできたが、指示は知ることと何が同じで何が違うのだろうか。何も知らなくても、「これは未知のものだ」と平気で指示できる。また、不完全にしか知らなくても、「こ

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[ヒュームの懐疑論への対応] 哲学者たちは様々な仕方でヒュームの帰納的な懐疑論を克服しようとしてきた。ラッセルもその一人で、帰納的な方法をアプリオリに正当化しようとした。彼は「帰納法の原理」と呼ぶアプリオリな原理に訴えることによってしか帰納

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ヒメリンゴとは何か
2017年10月27日05:40

 このタイトルは「Xとは何か」という哲学でお馴染みの問いの形をしています。「人間とは何か」と同じ形です。不思議なことに、「人間とは何か」とは違って、「ヒメリンゴとは何か」には哲学的に答えるのではなく、以下のように答えるのではないでしょうか。

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質問
2017年10月27日05:20

 クズが繁茂し、見事に木々を覆い隠しています。これらの画像を見ると、次のような質問をしたくなります。「これら二枚の画像を見て、あなたはどのように思いますか。それを200字程度で述べなさい。」*小学校の5,6年生から中学校1,2年生までの人たちの答

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柚子(ユズ)とからたち
2017年10月26日05:40

 大きな柚子を見た。柚子の果実の表面はでこぼこしている。酸味、香りが強く、柑橘類の中では寒さに強く、関東以北でも自生できると言われている。「桃栗3年柿8年、柚子の大馬鹿18年」は成長の遅さを揶揄ったもの。このため、種子から育てる実生栽培ではなく

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 最近のタワーマンションは固定窓が多い。そのため窓拭きは居住者自身にはできず、業者に依頼することになる。清掃用のゴンドラ(電気で動く箱型の乗り物)が常設されたビルならそれに乗ればよいが、それがないビルでは、ロープを使い、拭きながら下りていく

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紫色の花
2017年10月25日05:30

 紫の色は高貴な色ということになっていたが、最近は色の身分などなくなったから、どんな色でも誰の許しなしに自由に楽しんで構わないことになっている。当然紫色も自由なのだが、遥か昔から野原には紫色が溢れていた。紫の花は意外に多く、年中野原には紫色

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朝焼け
2017年10月24日07:09

今朝は雲が多めで、そのため朝焼けが見事だった。雲一つない快晴では見事な朝焼けは見ることができない。雲こそが朝焼けに形態を与え、朝焼けをダイナミックな姿に変える大道具なのである。すると、建物は小道具といったところか。こんな能書きより朝焼けを愛

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秋の空と選挙
2017年10月24日05:06

 「男心と秋の空」、「男の心と川の瀬は一夜に変わる」といった格言の「男」を「女」に代えても成り立つためか、今では「女」もよく使われ、「女心と秋の空」と言う訳である。「わからぬは夏の日和と人心」とあるように、男心でも女心でも、状況に応じてよく

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台風一過
2017年10月23日20:51

 久し振りの青空が懐かしかった。

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波除神社
2017年10月23日06:09

 宗教施設は一般の建物に比べると大きく、派手で、人目を惹く。大聖堂も大伽藍も、そして大鳥居も人を引きつける力をもっている。堂内の装飾となれば、カトリック教会の方がプロテスタント教会より圧倒的に華美で、仏教寺院の方が神社より派手だというのが通

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十返舎一九の墓
2017年10月22日08:23

 一九は1831年66歳で亡くなり、浅草の東陽院に葬られた。その戒名は『心月院一九日光信士』。墓碑は、中央区の勝どきに移転した同院の門前に残る。何と清澄通りの歩道の端にあって、通る人は誰でも見て、触ることができる格好の場所にある。墓碑が歩道に直接

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自然の変化と心
2017年10月22日05:28

 人は変化を求める。人は退屈するのが嫌いなのだ。だが、単純な運動変化には誰も心を動かされない。 しかし、物理的な変化でも複雑な気象変化となれば、私たちの心を動かすのだ。晴れれば、心は軽やかに、雨になれば、心は陰鬱になる。天気と心はつながって

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 疑問を持ち、それに答えようとするのは健全そのもので、どこにも異常はない。だが、懐疑論が唱えられると、人はそれに反対し、何とか懐疑論を克服しようとする。ヒュームの懐疑論の超克がカントの認識論の動機だとさえ言われてきた。 懐疑を一つ一つ丹念に

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 いずれの名前もエキゾティックな響きを持つのだが、二つを識別できるかと問われると、困ってしまう。そこで、模範解答を探すと、多分次のようになるのだろう。 マルメロの花は、やや紅を差すが、ほとんど白色。カリンの花は濃紅色。マルメロの果実は洋梨形

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マルメロとカリン
2017年10月21日07:19

 いずれの名前もエキゾティックな響きを持つが、二つを識別できるかと問われると、困ってしまう。そこで、模範解答を探すと次のようになるのだろう。 マルメロの花は、やや紅を差すが、ほとんど白色。カリンの花は濃紅色。マルメロの果実は洋梨形、カリンの

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新鷹丸
2017年10月21日06:07

 有明西埠頭の傍に水上バス乗場がある。見れば、小学生の一団が乗り込もうとしている。子供たちの騒めきが海に響いている。水上バスが出て行き、その先を見れば埠頭に小振りの白い船が停泊している。 警視庁の警備艇が走り去っていく先に見える船は新鷹丸(

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二人のルイセンコ
2017年10月20日08:50

 ロシアには二人のルイセンコが同時代を破天荒に生きた。スターリンの時代、そのスターリンとの関係で二人は全く好対照な人生を送ることになった。「破天荒」とは「今まで人がなし得なかったことを初めて行うこと」、「前人未到の境地を切り開くこと」。二人

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Xとは何か:最短の解答
2017年10月20日05:53

 「Xとは何か」という問いは哲学的なWhat型の問いで、科学的なHow型の問いとは違うと言われてきました。でも、Xが曖昧で、それが何かに答えることができなければ、What型もHow型もあったものではなく、どちらにも答えることはできません。「学問とは何か」な

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[帰納的推論の特徴] 私たちは帰納的な推論をよく行なう。その推論の一般的なパターンは次のようになっている。1今まで見たAはみなBである。2だから、次のAもBである。 3だから、すべてのAはBである。 このようなパターンをもつ帰納的推論の一例には次のよ

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壁面緑化(2)
2017年10月19日10:11

 昨日トリトンスクエアの中庭の緑化された壁面を紹介した。緑のカーテン、いやそんな生易しいものではなく、「壁面緑化」に衝撃に近いものを感じたからである。これほどの壁面を緑で覆い尽くす大胆なものは見たことがなかった。 ハーバード大学の赤煉瓦とア

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赤いバラ
2017年10月19日06:38

 薔薇戦争は百年戦争後のイギリスで1455年から30年間続いた内乱。王位継承をめぐって、ランカスター家とヨーク家が争ったが、紅薔薇、白薔薇をそれぞれの家紋にしていたため、「薔薇戦争」と呼ばれている。結局、ランカスター家の一族のテューダー家のヘンリ

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嘘こそ方便
2017年10月18日20:44

 役者の台詞をそのまま信じる人はいない。人を騙せないと役者にはなれない。役者は詐欺師のように巧みに騙すが、誰もそれを非難しない。虚構の世界の騙しは無害だからである。その騙し上手の俳優に似て、政治家はリアルな世界で巧みな弁舌を駆使して人を騙し

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[知識の信頼性] デカルトの論証によれば、知識は内的に保証可能である。前の論証は主観的な前提、客観的な結論、そして結合前提(主観的前提を客観的結論に必然的に結びつけるもの)からなっていた。デカルトの知識についての理論の特徴は次のように言える

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壁面緑化
2017年10月18日05:22

 晴海が海の街であることをギリシャ神話の海の神トリトンと掛け合わせ、さらに、職、遊、住の三つの都市機能と三棟のタワービルのイメージとを併せて命名されたのが晴海アイランドトリトンスクエア。  このトリトンスクエアの中庭は広くはないのだが、実に

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