私が小学生だった昭和30年代は、「少年サンデー」、「少年マガジン」、「少年キング」が創刊された漫画の黄金時代。50円で漫画の単行本を借りられる貸本屋もあった。私は貸本屋、そして床屋の待合室で、水木しげるさんの「墓場の鬼太郎」、そして連載妖怪
バイエルン州のニュース専門ラジオ局(公共放送)で、旧東ドイツの極右問題と、社会主義時代の外国人差別に関する長時間のラジオ・ルポルタージュを聞く。うなずかされる内容だった。1990年にドレスデンのレストランで極右の若者が黒人の女性に「ここはお
トルコのノーベル文学賞受賞作家Orhan Pamukの「雪」は、文学作品としては不満に思う人が多いでしょう。しかしイスラム原理主義と国粋主義の間で揺れ動くトルコという国を理解するには、いくつかの手がかりを与えてくれる作品です。トルコ人は傷つきやすく、
欧州の難民危機は、まだ始まったばかりだ。シリア、アフガニスタンはまだ序曲。今後10年間に、アルジェリアやモロッコでも政情が不安定になる可能性が指摘されている。欧州連合(EU)は、今から本格的な対策を取る必要がある。しかしEUの動きは、しばし
ドイツの講演会では、必ずWortmeldungの時間がある。これは純然たる質問ではなく、聴衆が自分の意見を言って最後に講演者への質問を付け加える。中には、10分くらい自分の意見を開陳する人もいる。しかし、司会も講演者も文句は言わない。ドイツの新聞記者
フランスでは、この秋1冊の本が注目されている。内容は、フランス人のジャーナリストがシリアから亡命した写真家をインタビューした物。この写真家はシリア軍のカメラマンで、アサド政権の命令で拷問で死んだり、処刑されたりした被害者を撮影した。彼は数万
土曜日だが、ドイツの政界、産業界、EU関係者らを交えた「インダストリー4.0」についての勉強会に出席(8時間にわたり、全てドイツ語)。デジタル革命がドイツ経済に与える影響について、激論が行われた。私もドイツ語で2回質問した。こういう勉強会は
ドイツでは、難民急増に関する懸念も高まりつつある。9月5日にメルケルが難民受け入れを発表して以来、毎日数千人、時には1万人近い難民が列車でミュンヘン駅に到着した。9月5日からの3日間で、ミュンヘンに着いた難民の数は、約2万8000人。これ
フォルクスワーゲン・グループの排ガス不正事件は、さらに拡大。アウディは米国環境局に指摘された、3リッター車の違法ソフトウエアの存在をしぶしぶ認めた。(アウディ側はこのソフトの使用は違法ではないと考えていたが、米国側は違法と判断)データ偽装は
ドイツが多数の難民の受け入れに踏み切った背景には、ナチス・ドイツの暴虐に対する反省もある。ナチスはユダヤ人や周辺諸国の国民を徹底的に弾圧した。一部のユダヤ人や反体制派が生き延びることができたのは、スカンジナビア諸国やスイス、米国などが亡命
ドイツ政府は、今年ドイツで亡命を申請する外国人の数が100万人に達すると予想している。去年の約5倍だ。さらに来年も、80万人の難民が流入すると見られている。第二次世界大戦後、これほど大規模な難民流入は、一度もなかった。 シリアなど紛争国か
ブリュッセルでは、先週土曜日からまだテロ警戒態勢が解かれない。来週の月曜日まで続くという。さすがに、学校と地下鉄は明日から再開される。この異常な長さの「戒厳令」は、テロリスト摘発の見通しを立てられない警察の無能さの証明でもある。将来ミュンヘ
ルモンド紙が、パリ同時多発テロで死亡した130人の市民全員の名前や職業、出身地などを発表している。気を滅入らせるリストだ。コンサート会場での死者が最も多かったので、若者が目立つ。音楽関係者やジャーナリストも犠牲になっている。フランス人だけで
ミュンヘンで初雪。このような日に、徒歩でドイツ国境をめざす難民の親子のことを考える。ドイツ政府は徐々に難民の受け入れ数を減らす方向に動いていくだろう。イスラム過激派の脅威は、難民政策にも影響を与える。来年は重要な州議会選挙、再来年は連邦議会
アウグスブルクの友人に会うために、久しぶりにドイツのアウトバーンを走る。時速250キロで私を追い抜いて行った奴がいた。あっという間に見えなくなった。アウトバーンには、電灯がない。ドイツ人の中には、真っ暗のアウトバーンでも200キロ以上の速度
先日バイエルン州経済省がミュンヘンで開催した講演会で、インダストリー4.0についてお話をさせて頂きましたが、その講演のサマリーが発表されました。http://www.invest-in-bavaria.com/en/blog/post/industry-40-in-germany-the-japanese-perspective.ht
肌寒い土曜日。今日もヨーロッパは、テロリズムの暗雲に覆われています。ブリュッセルではベルギー政府がテロ警報を出している。「最高の危険度」とか。米国のNSAが携帯電話の通話で何かをキャッチしたのだろう。地下鉄も一部運休。2004年頃のイスラエ
パリ同時多発テロの衝撃は、今なお欧州全体でさめやらない。多くの市民が漠とした不安感を抱きながら、バスや地下鉄に乗っている。しかしこれと並行して、ドイツなどへのシリアやアフガン難民らの流入は続いている。テロ事件と難民問題をごちゃまぜにすること
フランスのオランド大統領は、「今回のテロは戦争行為だ」と断定した。同国は、国連安全保障理事会に緊急会合の開催を要請し、シリアのISに対する本格的な攻撃について、国際法上の「お墨付き」を得ようとしている。さらにEUの基本法である「リスボン条約
パリの同時多発テロの犯人の大半は、過去に警察に摘発されたり、マークされたりしていた者たちである。「それなのに、なぜテロ事件を起こすのをみすみす許してしまったのか?警察は一体何をしていたのか?」とお思いになるかもしれない。しかし、フランスの警
やはり欧州は日本から遠い。日本では、9・11に比べると11・13事件に対するメディアや国民の関心は低い。欧州滞在などの経験を持つ人だけが、強い関心を示している。特に日本のテレビ局の関心は低いようだ。所詮、対岸の火事か。VWの排ガス不正に対す
11月13日の金曜日という日付は、欧州の歴史に残るでしょう。129人もの死者を出したパリの同時多発テロは、欧州を大きく変える事件です。日経ビジネス・オンラインに記事をアップしました。http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/219486/1117
オランド大統領は、テロ対策のために憲法改正を提案。現行の憲法によると、非常事態は最長12日間が限度だが、オランドはこれを3ヶ月に伸ばすことを可能にする方針。欧州理事会のドナルド・トゥスク議長によると、オランドはIS殲滅のために空爆拡大だけで
フランス空軍は、イスラム国(IS)のシリアの拠点を空爆。パリ同時多発テロに対する報復だ。米国はアフガニスタンやイラクと地続きではなかった。しかしフランスは、シリアと地続きだ。ISは西欧に戦闘員を送り込んで、テロ攻撃を実行する危険がある。フラ
バタクラン劇場の裏口から逃げる人々を、近くに住んでいたルモンドの記者が携帯電話で撮影した映像は悲惨だ。逃げる人々の足元には、死者や重傷者が倒れている。重傷者を引きずって逃げる人。引きずられた路上には、血糊が。起き上がれない重傷者は、路上に横
昨日最も感動的だったのは、ドイツの連邦大統領ヨアヒム・ガウクがパリ同時多発テロについて出した声明だった。フランスに対する連帯感と尊敬に満ち溢れ、テロに屈しないという固い決意がこめられている。「言葉」という物の強さを教える文章だ。http://www.b
フランス大統領は11月13日の同時多発テロを「戦争行為」と断定。2001年の9月11日を思わせる展開。「テロの時代」と我々はどう戦うべきでしょうか?ハフィントン・ポストに記事を書きました。http://www.huffingtonpost.jp/toru-kumagai/paris-terr
ドイツ、フランス、英国のメディアは、パリ同時多発テロ一色。死者数は約130人に達し、戦後フランスで最悪のテロ事件となった。パリに住む知人のメールから、緊迫感が伝わってくる。1年間に2度も「未曽有」のテロ事件が起きるというのは、尋常ではない。
リベラシオンが出したこの地図がわかりやすい。シャルリ・エブド事件と同じく、犯人は今回もパリ東部を事件の舞台に選んだ。カンボジア料理店も標的にしたのは、多文化社会フランスへの挑戦だ。市民を殺して恐怖感を与えるための、卑劣な無差別テロだ。https: