実伯父から説明を受けた母親は見るも無惨なしょげようになった。『おえんのんでしょうかおえんのんでしょうか』といい、ナツコに嗜められる一幕もあった。父が『カサハラさんそがな事はねぇ』と言ったが母親は聞いていなかった。実伯父が『カサハラさん』と身
その日、登校してみると教室は女子の時ならぬはしゃぎ声にみちていた。形無しのようになっている男子は教室のすみで小さくなっていた。俺は男子にとも女子にともなく視線をおくり『どしたんん?』と聞いた。するとシゲイチが『キョウコが明星を持ってきてな、
実伯父はいっこうに俺が応接間から去って行こうとしない事が気になっているようだった。『ええんかあっちでお母ちゃんが呼んどんじゃねんか』と聞いてきたりした。その都度、俺は『呼んどらん』『かわまんから早よ、説明して』と邪険な返事をした。ナツコは、
すると母は何を思ったのか『そうじゃなぁ、、シゲ君の話しじゃし、私が行くよりもアンタが行ったほうがカサハラさんも気持ちが和むかもしれん、ほな、持って行きなせ』と言った。俺はまさかそんな答えが返ってくるとは思ってもいなかったので『ほんまにええん