実伯父が『はい、はい、はい』と、それが口癖の、挨拶のようなモノを唱えながらやって来たのは食後の事だった。あらかじめ父が呼んでいたに相違なく『ご苦労さん』と父は驚きもせずに、そう言った。ナツコは母と一緒に汚れた食器を洗っていたのだが、にわかに

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母の顔は険しかった。俺は『なんで行ったらおえんの』と聞き返した。瞬間、母は言葉につまったような顔になり『おえん言うたらおえんのじゃ』と言った。俺は唇をとがらせ、しつこく『なんで、なんで』と言募った。母が『行くな』と言った意味がわかっていたか

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帰宅した俺はまっ先に台所にかけて行った。母は夕食の仕度によねんがなかった。よこではツラ婆さんがせっせとイモのかわをむいていた。ツラ婆さんは『お帰り』と俺の顔を見上げ『今夜はヨシヒロちゃんのすきなカレーですで』と言った。いつもの俺だったら『わ

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