『ほんまに行くんですか』母は最後まで不服そうな物言いをした。居間には俺と父をはじめ、ナツコ、マナブ、そしてシゲイチまで揃っていた。ナツコが『奥さんこそ、ほんまに行かんのんですか』と聞いた。母は『私は、、もうこのはなしからはご放念くだされいう

続きを読む

母は体勢を立て直すようにすると『ええからあっちへ行っとり』と言い、氷を拾いはじめた。俺は母に対してもっと言いたい事があったのだが、一度、そう言い出すと母が態度をかえないと言う事は百も承知していたので、しぶしぶ、居間に方に戻って行く事にした。

続きを読む

　　　　　　　　　冬のスペイン　　　　思わずあなたの　　　　小さな肩を　　　　激しく抱いたら　　　　痛がられたね　　　　こんなにか細い　　　　人だったんだと　　　　その時知ったよ　　　　今さらながら、、　　　　見てごらん　　　　どこまでも　

続きを読む

　　　　　　　　　　　　前夜祭　　　明日は　明日は　　　別れるボクたち　　　明日は　明日は　　　他人の二人、、、　　　キャンドルライトを吹き消すように　　　二人の思い出、消せないが　　　これ以上暮らせば　　　傷つくばかり　　　愛する気持ちが

続きを読む

　　　　　　冬の主人公　君の肩をそっと抱いた　まさにその時　街路樹のイルミネーション　パッと灯る　そうさ　まるで　君とボクは　冬の主人公　華やかに別れ際を　彩るのさ、、、　クリスマスキャロルが響き　鈴の音も流れる街で　ここから見ているよ　一

続きを読む

帰宅してみるとハルキが来ていた。ハルキは『留守中に上がりこんで、、』と言って頭をさげた。俺は母の機嫌がきになった。しかし、母は、ハルキの前では平静を装っていた。ハルキの前にはインスタントのアイスコーヒーが出ていた。それに目をやった父は『美味

続きを読む

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　西東9時ともなれば真っ暗な 駅の周りのロータリー 客待ちをするタクシーの 赤いランプがわびしくて、、、 ずっと，ずっと探していたんだぜ あの日から あの日から ふらりといなくなったまま 風のうわさで西東 く

続きを読む

父はお兄さんに『今更かもしれんけど、それだけの情報じゃ。警察に言うたほうがええ。お前さんが言いにくかったらワシの親戚に刑事がおるけん、言うてやろうか』と言った。お兄さんは一瞬、『へ？』と言う顔になって『センセのご親戚、刑事さんだっか！』と早

続きを読む

『おかしげなもん』と言われた瞬間、父は、それまで喰っていたウドンの箸を止めると『なんなぁ？おかしげなもんって、、』と言った。俺は『随分、人の気をひく物言いをする人だなぁ、、』とお兄さんの事を思った。お兄さんは俺の胸中など関係なくカウンター越

続きを読む

語気もするどく迫ってくるお兄さんを父はさらっとかわすように『じゃってそうじゃがな。』と言って、『アンタ、あの時、どう言うた？正月も休まずやってまっせ言うろうが？そのくせ、元旦以降、パタっとやって来んようになってからに、、休むんなら休むと言う

続きを読む

　　　　　　　　　　六本木☆マジ　　　　　　本気になればなるほどに　　　心は傷つくばかりだし　　　おしゃれな恋は適当に　　　心を騙してするものと　　　大人になる前　　　教わった　　　奇麗なお酒の味のよに　　　夜明けにお前と　　　さよならした

続きを読む