普段、見た事のないかっさんの顔つきに驚いた俺は、食べかけていたケーキもそこそこに席をたった。かっさんはバツの悪そうな顔をし、『ごめんなぁ』と言い、ショーケースに凭れ掛かっているおじさんに『そがんとこ立っとらんと』と言って中へ招じ入れた。サン
一キロもあるジャンボハンバーグ。上道駅の近所にある店は下校途中の高校生でお忙し。こんなハンバーグを出す店も偉いが、食い気盛りの高校生に混じって完食する54才の俺も偉くない?ダイエット?そう言えば、そんな言葉もあったっけなぁ、、
俺が小学二年生の頃だった。学校から目と鼻の先、校門を下った先にある文房具屋さんの隣に小さな店が出来た。それは、でっぷりと太ったおじさんと、これまたコロコロと小太りなおばさんの夫婦者が経営するケーキ屋だった。当時、こんな手作りのケーキ屋など、
ヒトミ達が三番の部屋で美保子叔母の容態を伺っている間、俺は五番の部屋の前を、何度もいったりきたりしていた。何故か、担当の看護師さんの姿は見受けられなかった。完全看護である以上、看護師さんの姿はなくてはならなかった。俺はその部屋の患者さんは、
ICUの中は思ったほど薬くさくなかった。表に流れでてきていた匂いから想像し、鼻も曲がるほどかと思ったいた俺は、少し拍子抜けした。そのぶん中は凄かった。未来都市もかくやといった赴きの器具が、様々、そこかしこにおかれており、器具から流れでた管が錯
その時、俺の鼻先を薬液の匂いがかすめたと思ったら、ICUの扉が静かに開き、実伯父と祖母と父が出て来た。出てくる時は看護師さんの案内は必要ないのか、看護師さんの姿は見えなかった。実伯父は泣いているヒトミとミドリにきがつくと『来たんか』と言い『な
ストレッチャーに乗せられた患者さんは開いたICUの扉の中にあっと言う間に運ばれて行った。女の人は、自分もついて行きたそうな素振りを見せたが看護師さんに『奥さんはココまで』と止められた。女の人は憔悴したようになり『ウチの人は大丈夫なんでしょうか
ブルームーンを見たせいか、やたら、気力体力が横溢している俺。今朝も6時起きで自転車をこいで海まで行き、泳いだあと、浜辺でしばしの読書を楽しんだ。読んだ本は、昨日、マイミクさんから戴いたもの。夏の早朝、浜辺で読むにはいささかヘビーな中味だった
実伯父はにわかに浮き足立ち『そうですか』と言った。祖母も顔色をかえ立ち上がり『美保子はどうしとります?』と聞いた。看護師さんは丁寧だが、あくまでジム的に『ご心配いりません』と言うと、『手術は成功です。じゃけど、今はまだ麻酔がきいとってですか