待ち人に会いたくて咲く雪割草

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木々と風かくれんぼする春の山　　　　　藤木洋良

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春の海あくびしている光りかな　　　　　　藤木洋良

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梅の香や風が恋して頬を染め　　　　　　藤木洋良

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余生とはどんな生やら山笑ふ　　　　　藤木洋良

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春泥に一人遊びの喜寿の我　　　　　　　藤木洋良

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故郷へ帰らないのか春の鴨　　　　　　　藤木洋良

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彼岸過愛をささやく雀かな　　　　　　藤木洋良

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腹巻に懐炉忍ばす彼岸かな　　　　　藤木洋良

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お彼岸は素顔がさえる古女房　　　　　　藤木洋良

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亡き母のお萩食いたし彼岸かな　　　　　藤木洋良

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春雨や傘を忘れて濡れ帰り　　　　　藤木洋良

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君と僕秘め事はなし猫の恋　　　　　　藤木洋良

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蝶生まれ微笑む風に光り飛び　　　　　　藤木洋良

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寂しさは置手紙です鳥雲に　　　　　　藤木洋良

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誰知るや梅一輪の真実を　　　　　　藤木洋良

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故郷の空は何色鳥帰る　　　　　　　藤木洋良

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春天や光りが飛んで風微笑　　　　　　藤木洋良

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ゆったりと生きて死にたし春の雲　　　　　藤木洋良

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春宵や夜が怖くて眠れない　　　　　藤木洋良

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青春の思い出ゆらり桜餅　　　　　藤木洋良

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寂しさが心を濡らす春の雨　　　　　　藤木洋良

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春疾風亡き子が泣いて我を呼ぶ　　　　　藤木洋良

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木の芽冷え猫背で生きる喜寿の我　　　　　藤木洋良

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蠟梅の花一輪の日和かな　　　　　　藤木洋良

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命日や遺影の埃払う春　　　　　　藤木洋良

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春の鳥鎮守の杜でかくれんぼ　　　　　　藤木洋良

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佐保姫は雪が恥じらう日に生まる　　　　　　藤木洋良

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雛の間にでんと居座る古女房　　　　　藤木洋良

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