かいつぶり水知り尽くしくぐりけり 藤木洋良
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虚無の地に独り佇む冬の鷺 藤木洋良
冬鳥の声聞かば亡き母恋し 藤木洋良
不安とは水が溺れる冬の雁 藤木洋良
梟の憩ふ木がある我が故郷 藤木洋良
迷悟なく独りぼっちの寒鴉 藤木洋良
顔貌は鷲に似ており我孤独 藤木洋良
冬雀頬ふくらます風愛せ 藤木洋良
寒の鵙ひっそり閑と空静か 藤木洋良
葉牡丹よ明日と云ふ日に幸よあれ 藤木洋良
寒木瓜に時がはにかむ朝かな 藤木洋良
侘助や遺影の息子三十歳 藤木洋良
冬菊や愚直に生きて七十五歳 藤木洋良
寒椿首の寂しき女あり 藤木洋良
冬牡丹寂しかないと風が云ふ 藤木洋良
寒梅や生死を問えば匂ひけり 藤木洋良
冬薔薇うちの女房も棘があり 藤木洋良
水仙や愛してるよと独り言 藤木洋良
真夜中にごくりと飲む寒の水 藤木洋良
降る雪や明りともして積もりけり 藤木洋良
独り寝の夜はさむし寒の雨 藤木洋良
七十五歳病気と遊ぶ寒の内 藤木洋良
松過ぎて日常の死を生きる我 藤木洋良
貧しさや心喜ぶおらが春
病をば友にしてはや七日かな 藤木洋良
命日や痛み和らぐ冬の雨 藤木洋良
七十五歳仕事始は医者通い 藤木洋良
呟きがお経になりてはや四日 藤木洋良
煩悩を酒の肴に寝正月 藤木洋良
初夢は棺の中で寝てる夢 藤木洋良
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