鮟鱇の業も煮ゆれば美味なりき　　　　　　藤木洋良

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生と死に執着して咲け冬椿　　　　　　　藤木洋良

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命をば質屋に預け新酒飲む　　　　　　藤木洋良

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風に揺れ雨が濡れてる枯芒　　　　　　藤木洋良

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煩悩は命の肥やし冬薔薇　　　　　　　　藤木洋良

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茶が咲いて風が涙す日和かな　　　　　　藤木洋良

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かいつぶり水にもぐれば水さみし　　　　　　　藤木洋良

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山茶花や風が恥じらふ朝ぼらけ　　　　　　　藤木洋良

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マネキンの森で産卵冬の鳥　　　　　　　藤木洋良

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冬の波テトラポッドに牙を剥く　　　　　　藤木洋良

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菩提寺の銀杏落葉に風が舞ふ

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人生は七色ですか冬の虹　　　　　　藤木洋良

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新蕎麦や山の香りに舌鼓　　　　　藤木洋良

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小春日や散歩の後に耳掃除　　　　　　　藤木洋良

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冬の星神の涙か光りけり　　　　　　藤木洋良

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神不在不眠の空を雁渡る　　　　　　藤木洋良

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亡き母の夢見し夜は寝酒飲む　　　　　　藤木洋良

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神の目を意識して散る木の葉あり　　　　　　　　藤木洋良

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寒鯉は深呼吸して水底に　　　　　藤木洋良

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明日は明日今日を生き切れ冬の蝶　　　　　　　藤木洋良

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しぐるるやねぐらをさがす黒き雲　　　　　　藤木洋良

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吾が影を我は踏まんと枯野行く　　　　　　藤木洋良

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お鈴打つ妻の手白き今朝の冬　　　　　藤木洋良

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寂しさの波紋広がる鴨の声　　　　　　　藤木洋良

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命日や足踏みしてる秋の風　　　　　　　藤木洋良

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落葉踏み我は歩まん老いの道　　　　　藤木洋良

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老いを知り己を捨てて散る木の葉　　　　　　　藤木洋良

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風邪引いて見る夢皆んな白黒や　　　　　　藤木洋良

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木の葉散る都市の外れに我は在り　　　　　藤木洋良

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