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日記一覧

『リメンバー・ミー』
2018年03月31日23:49

 おばあちゃん子なら、涙腺崩壊必至。今作もまた、トランプへの批判というか強い怒り憤りが根底にある。でもそれを(一見保守的にも感じられる)家族第一主義に包んで優しく諭すように語り掛けているのだ。 境界に作るべきは橋であって高い壁などでは絶対に

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 つい最近まで存続していた元祖サーカス団の始まりの物語をミュージカルで。スターの皆さん、達者である。 主題歌はとても感動的ながら、何故かどうにも乗れない。マイノリティーへの差別意識という問題を結局のところクリアに出来ていないからではなかろう

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『ブラックパンサー』
2018年03月31日23:48

 これはマーベルアメコミヒーロー映画のスピンオフではなくれっきとした正編でありながら、1本の「独立」した作品としてこの時代に映画史にその名を刻んだ。黒人映画でありながら、そういうカテゴライズはもう意味を成さない。 物語の構成がどことなくイン

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 原作者であり、演奏/主題歌にも参加している末井昭の、高度成長期からバブル崩壊あたりまでの、つまり昭和元禄から昭和終焉・平成改元まで、性風俗に塗れて生きたその半生を、時に生々しく時にクールに突き放して描く。危険でふざけているようでやはりふざ

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『ラッキー』
2018年03月31日23:47

 こういう題名の映画(原題も)が主演遺作というのは、何ともめでたい。 ハリー・ディーン・スタントン、キャリアは長いが注目されたという意味では遅咲きの花であった。『パリ、テキサス』は公開時58才。『エイリアン』でも52才。 第二次大戦での従軍経験

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 粗々の筋は原作小説を踏まえているらしいが、原作そのままだと映像化できなかったとのこと。Aさんが実はBさんだったというような、小説ならいくらでも書けるが、映像だと成立しない。例えば、筒井康隆の『ロートレック荘事件』などがそうである。トリック

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『かぞくへ』
2018年03月31日23:46

 正式公開まで2年以上を要した、身近で奇を衒わないという意味でたいへん地味な物語を描いた作品。主人公を演じる役者の身に起こったこと(事実上の詐欺事件)をモデルにシナリオを起こしたという(但し、主人公が婚約中という部分はフィクションとのこと)

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『わたしたちの家』
2018年03月30日19:24

 ロケ地はどこの地方都市(それも日本海側っぽい)かと思ったら、横須賀で撮影したそうな。それぐらいうらぶれた感じの港町。1つの家、1つの街を舞台に、接点のない2つの物語が展開する。ルームシェア・パラレルワールドもの、とでも云おうか。1つは母子

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『北の桜守』
2018年03月30日19:21

 吉永小百合という物件をどう考えるか。映画女優(男優もだけど)たるものが絶滅する中で、舞台に立つこともなくテレビドラマからは遠ざかりただ一人映画に拘り続ける女(ひと)。彼女がいようがいまいがそれで変質するほどの状況ではもはやない日本映画界で

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『しあわせの絵の具』
2018年03月30日19:15

 いかにも日本人の好きそうな庶民的な画風だとも思うのだが、故大橋巨泉が今世紀に入ってからテレビで紹介するまでは日本では無名の存在だった(というようなことがウィキペディアに書いてあるが、その際の番組は私も視聴していたことを今思い出した…)。作

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 華僑に対して印僑という言い方がされることがある。しかし「基僑」という表現は聞いたことがない。パキスタンは漢字表示では「巴基斯坦」なので、漢字一字だと「基」になるらしい。因みに「巴」だとパナマだとか。中国系やインド系に負けず劣らず、パキスタ

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 生贄の牛ならぬ鹿になるのは誰か? ホラーにも2通りあって、祟られる側に祟られる(恨まれる)だけの相応の理由がある場合とそうではない場合がある。どちらが怖いかというと後者の方なのだが、今作のように理由はあっても祟られる対象が本人ではなく家族

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『blank13』
2018年03月19日00:48

 彼(タクミ)のことゆえ長編処女作は奇を衒ったものではなく正攻法で来るだろうと思ったらやはりそうだった。『父帰る』で後半『お葬式』かと思ったら、『生きる』になる(葬儀に集った様々な人間の証言で家族が知らなかった故人の姿が顕わになっていく、と

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『15時17分、パリ行き』
2018年03月19日00:43

 イーストウッド老けたり。とは言いたくない。実際に起こった事件を、犯人以外はほぼ全員事件に巻き込まれた人間を集めてきて、彼ら自身に再現させている。成程これはアイディアではある(前例はなくもないが、ここまで大掛かりなのはあったろうか)。クライ

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 これぞ映画である。これこそ映画である。美しく麗しく強く、そして豊かな映像と物語。 異形の者との運命の愛を貫こうとするヒロインを描く一方で、世界を理解できない狡猾で暴力的で小心で憐れな男の末路を対比していく。あの国で自由な民主主義国家であろ

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 えー、あまり「駄目な邦題噺」ばかりするのもイカがなものかとタコの八っつぁんも云っとるのですが、こいつは黙っていられねえってんで、云うわけでさぁ。昔メリケンで水門事件つうのがあったそうで、メリケンの棟梁の肉損とかいう野郎が手下を敵の屋敷に忍

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『ナチュラルウーマン』
2018年03月19日00:37

 これまた訳の分かったような分からんような邦題。原題(直訳)は『素晴らしい女性』。内容を反映させて『わたしはマリーナ』だと何だかそのまま過ぎる。ここは『マリーナ わたしらしき女(ひと)』あたりかな。「人生」や「愛」は使いたくないから。 相手

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 シャーリー・マクレーン、私の親父と生年月まで同じである。もうすぐ84歳。長いキャリアを誇り、映画での監督経験もある彼女が初めて劇映画の製作総指揮に名を連ねたのが今作である。共演のアマンダ・セイフライド(彼女の苗字は表記がまだ一定しない)も製

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 どういうわけだか(日本での公開のタイミングが集中しているだけなのか)、ここ最近「ダンケルク」前後、つまり第一次世界大戦序盤を舞台にした欧米の作品が多く公開されている。テレビでも連続BSドラマ『刑事フォイル』(制作・イギリス。放送終了)があ

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 感想を書き始めてふと何かに似ていると思ったら、そうだ、『大誘拐』だ、と。いや、ヒロインが警察やその向こうにいる政府に挑戦するというような内容では全然ないのだけれど、ある意味世直しだし。岡本喜八と白石和彌… 社会派サスペンスとスラップスティ

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 昨今の日本の映画って作品に含まれるべき情報量が少ないなあ、簡単にいうとスカスカやなと思うことが多いけど、そういった一本。作品世界を成立させるだけの中身が作られていない。  本来創出したり史実から借りてきたりして積み上げていきその上でそこか

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 いかにケータイやスマホの出現が生活を、とりわけ若者たちの毎日を変えてしまったか。原作が舞台とし映画でもその設定が維持された1990年代前半、携帯電話はまだ一般的ではなく、固定電話はコードレス化したものの家には電話は一台、公衆電話が大きな役割を

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悪女になるなら 月夜はおよしよ素直になりすぎる 隠しておいた言葉がほろり こぼれてしまう「行かないで」中島みゆきの歌とは全く関係ないこのタイトルはあまりよくないでも原題通りだから仕方ないアクションは半端ないでも観たことないほどでもない暗殺者復

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