美麗という一語に尽きる。美術も物語も、そして勿論歌曲も。美しさに心揺さぶられ感涙するなど、そう滅多にあるものではない。
実録パニック映画であり、極力虚飾を排し主人公は活躍はするも決して英雄ではない。資源に乏しい乏しい乏しい(だからお前ら働け)と云われ続けて生きてきた国の人間からすると、海底に穴を開けただけで原油が自噴する(?)というのは羨ましい気もするのだ
出来の良い兄や母親と、ではなく、自分自身と折り合いがつけられず七転八倒な17年間を生きてきた少女が、大きな回り道の末自分や自分が生きる世界と和解するまで。原題そのままなら『17才は崖っぷち!』という邦題になるところを、抑えられない彼女の自我
アソシエイトプロデューサー(仕掛け人)と監督とが脚本を巡って衝突し互いに引くことなくその混乱が現場にまで持ち込まれ、プロデューサーちゅうかシネマ☆インパクト山本政志が試写会にさえ姿を見せないというお子ちゃまぶり。巻き込まれたスタッフやキ
これまた内容とその魅力をきちんと説明するのがとても困難な作品。 私なんざ、もともと松本ハウスと松本ファイターの区別がついてなかった。「松本ハウス」の「ハウス加賀谷」 …ベテラン芸人コンビ「松本ハウス」の片方で、統合失調症で長らく闘病中だっ
イランという国、社会は不思議なところで、実は中東随一の議会制民主主義国家でありつつ宗教指導者や超保守的親衛隊が実質的に三権を押えている。建前は反米が国是だけど本音ではアメリカ文化大好き。映画大好き。革命以降、その辺のバランスのせめぎ合い
例によって一度記憶した筈のことを頭の奥の方に仕舞い込んで容易に出せない障碍の持ち主である私なので、この長命の著名絵本作家に関してNHKのBSで番組として取り上げられたり、彼女が亡くなった後その総集編が映画館で一度上映されたことがあったりした
学生がボロ着と下駄で朝な夕な町中を闊歩していた「いつか あった(ような気がする) 京都」。 魑魅魍魎、聖と俗とが入り混じる上に、いくつもの夜と昼と春夏秋冬が、ある日の夜の出来事に集約されてしまっても、ちっとも不自然に思えない。ウブで清らかな
私ゃゲームとギャンブルだけはやらない(だけじゃないけど)が、これが早い話VRだというぐらいは分かります。一人称映画(カメラ=観客の視点=主人公)自体これが初めてではないだろうし、映像革命だのと大げさに言われるようなものではないけれど、と
診療時間を過ぎていた為診なかった患者を死なせてしまった医師が患者の死の謎を解明しようとして危機に陥るサスペンス、かと思ったら、そこはダルデンヌ兄弟、大違い。 心を救わねば(ここでは罪の告白)身体も救えないという女医版「赤ひげ」。後輩の面
「失われた20年(以上?)」とは言うけれど、日本の失われっぷりは別にして、今の世界のあり様は20世紀という振り出しに戻る感じ。行き詰って糞詰まって糞死しかかっている。アメリカもフランスも、そしてこのイギリスこそが政治的便秘と経済的下痢で狂死寸
実話ありき、着想ありきであって、撮影の美しさに支えられてはいるけれど、そこからもう一歩「映画にする」という作業に欠けているように思う。インドの貧困や養子の苦悩が描かれてはいたけれど、そこから一歩、史実から離れてでも踏み込まないと。『君の名
映画の中の登場人物たち(おそらく全員実在)は、自分たちがこの後(映画で描かれた時代より後)どういう運命を辿るのか知る由もない。しかし、スタッフもキャストも、そのことは十二分に意識して作っている、演じているわけである。観賞する側も、歴史の常
スーパーパパが孤立した大自然の中で子供たちを猛教育猛特訓するコメディ寄りの物語かと思ったら、煎じ詰めれば、社会に順応出来なかった男と女の逃避の果ての話であった。滑稽な場面もあるにはあるが、基調としてはシリアス。そりゃあ妻(母)が心の病の末