由良秀之「司法記者」読了。元東京地検特捜部で検事を務めていた作家のデビュー作。密室の女性記者死体と大物政治家の収賄疑惑という2つの事件の裏に驚愕の事実が...帯に「佐々木譲氏絶賛」とありますが、確かにこれがデビュー作とはとても思えないほどの
岸本忠三/中嶋彰「新現代免疫物語 『抗体医薬』と『自然免疫』の驚異」(講談社ブルーバックス)読了。筆者の一人、岸本氏は阪大医学部長・阪大学長などを歴任した免疫学の世界的な権威の一人。その免疫学の権威が、最新の免疫学とそれを利用した「抗体医薬
向笠千恵子「食の街道を行く」(平凡社新書)読了。フードジャーナリストである作者が、鯖や塩など様々な食品・食材が伝わってきた道をたどり、日本の奥深い食文化を紹介しています。私の田舎(長野県南部)では祝いものとして正月に鰤を食べるのですが、この
横関大「チェインギャングは忘れない」読了。昨年、江戸川乱歩賞を受賞してデビューした作家の最新長編。囚人護送車が襲撃され、5人の男が脱走。脱走犯の一人は記憶喪失となって停車中の大型トラックの前で眠っているところを女性ドライバーに起こされるが.
雫井脩介「銀色の絆」読了。ミステリー作品で知られる作者ですが、この作品は非ミステリーで、フィギュアスケートの世界を舞台に母と子の絆を描く長編小説です。スポーツ小説と家族小説の良いところを取り合わせた小説で、400ページを一気読みしてしまいま
「スティーブ・ジョブズ」上巻読了。ベストセラーとなっているスティーブ・ジョブズの自伝です。上巻では、アップル追放の後、NEXTを設立し、ピクサーにて「トイ・ストーリー」を大ヒットさせるまでが描かれています。若い人たちはNEXTなんて知らないと思いま
柚月裕子「検事の本懐」読了。2008年の「このミステリーがすごい!」大賞を受賞してデビューした作者の最新連作短編集。帯に「骨太の人間ドラマと巧緻なミステリー的興奮が、見事に融合した極上の連作短編集」とありますが、まさにその通りの素晴しい作品
松下麻理緒「流転の女」読了。2007年に横溝正史ミステリ大賞を受賞してデビューした作家の最新長編(実はこの作家、女性2名による共同執筆とのこと)。32年前に事故として処理された女子大生の水死、13年前の不可解な少女誘拐事件、そして末期癌患者だっ
「ロングセラー商品のパッケージデザイン」(新星出版社)読了。懐かしくて、そして新しい。そんな日本のロングセラー商品28品のパッケージデザインの変遷とデザインの秘密が紹介されています。ポッキーやキューピーマヨネーズといった食品から、ウォークマ
長谷川祐子「『なぜ』から始める現代アート」(NHK出版新書)読了。よく分からないけどなんとなく惹かれる現代アート。その現代アートについて、当代随一のキュレーターが注目すべきアーティストや作品に関して鑑賞のポイントなどを解説してくれます。しかし
麻生幾「外事警察 CODE:ジャスミン」読了。サスペンス防諜小説で知られる作者の最新長編。来年6月に公開予定の映画「外事警察」の原作とのこと。核物質の取引情報をめぐる、日韓米の捜査機関の熾烈な情報戦が圧倒的なリアリズムで描写されています。防諜もの
折原一「帝王、死すべし」読了。倒述モノ本格ミステリーで知られるベテラン作家の最新長編。中学校でいじめを受ける少年と、いじめの首謀者を見つけようとする少年の父親。二人は驚愕のラストへ向かってひた走る...折原ワールド全開の作品です今朝は
高橋洋一「統計・確率思考で世の中のカラクリが分かる」(光文社新書)読了。世の中にはいかに数字を用いたトリックが溢れているか、そしてそれらを見破るために必要な統計・確率の基礎が述べられています。ちょっと難しい理論的な話も出てきますが、数字のト
戸田山和久「『科学的思考』のレッスン 学校で教えてくれないサイエンス」(NHK出版新書)読了。震災/原発事故以降、いわゆる「科学リテラシー」に関連する書籍が数多く出版されています。この本もそんな一冊で、「科学的に考えるってどういうこと?」という
奥田英郎「どちらとも言えません」読了。人気作家によるスポーツエッセイ。スポーツ雑誌「ナンバー」の連載をまとめたものです。以前からスポーツ通で知られている作者ですが、スポーツ好きであれば思わずにやり、としてしまう毒舌絡みのエッセイが満載です
松崎有理「あがり」読了。第一回創元SF短編賞受賞作品で、著者は東北大学理学部卒の女性です。「北の街」にある総合大学(東北大?)の理系研究室を舞台としたSF連作が5編収録されています。読者を選ぶ作品かと思いますが、かなり楽しめました数日
石持浅海「彼女が追ってくる」読了。常に質の高いミステリー作品を書くことで人気の高い作家の最新長編。クローズド・サークルの中で殺人を犯した女性が完璧な証拠隠滅を行ったはずだったが...。相変わらずの丹精なプロットを持った作品で楽しめました
道尾秀介「水の柩」読了。昨年は大藪春彦賞と山本周五郎賞を、今年は直木賞を受賞し、今最も注目を集めている作家の最新長編。田舎の老舗旅館の長男(中2)といじめを受けている同級生の女子。二人は文化祭をきっかけを口をきくようになるが...謎解きの要
辻村深月「水底フェスタ」読了。メフィスト賞出身で最近注目を浴びている作家の最新長編。閉鎖的な山村を舞台に、村出身の元モデルが復讐劇を企てるが...大きなトリックがあるミステリーではありませんが、楽しんで読むことができました今日は晴れて
石橋毅史「『本屋は』死なない」読了。オンラインショップや電子書籍の台頭、あるいは活字離れや大規模書店等の影響により、地域に根付いた本屋が次々と消えている中、それでも「意思ある本屋」であり続けようとする書店主・書店員を紹介したルポ作品。本好き
黒田達明「ようこそ、私の研究室へ 世界へ誇る日本のサイエンスラボ21」読了。日本の科学技術を支える独創的な研究を行っている研究者21人が紹介されています。皆さん、本当に個性豊かな人たちばかりですが、全ての人に共通しているのは自分の研究を楽し
馳星周「光あれ」読了。ハードボイルド系小説の第一人者である作者の最新作は、原発の町「敦賀」を舞台にした連作短編集。3.11が起こるかなり前の2009年から雑誌にて連載が開始されており、震災の直前に連載が終了したとのこと。「原発がなければ成り立たない
既読の「ディープピープル 青」に続いて、「ディープピープル 赤」NHK「ディープピーブル」製作班編を読了。NHKで月曜夜10時から放映されていた人気トーク番組を書籍化したものです。赤編には、寿司職人や宝塚トップスターなどが収められていますが、どれ
本城雅人「シューメーカーの足音」読了。2009年にデビュー以降、スポーツ界を舞台にしたミステリー作品を発表してきた作家の最新長編。ある人物の死を巡り対峙する靴職人同士の行き詰まる工房を描くミステリー。靴大好きの私にとっては、靴作りの話が沢山
鈴木蓮「真友」読了。2006年に江戸川乱歩賞を受賞しデビューした作家の最新長編。刑事による警官殺し。親友同士だった犯人と犠牲者の息子の人生は激変する。二人の人生は二度と交差しないはずだった。更なる事件が起こるまでは...重厚なミステリーとして楽
石井光太「遺体 震災、津波の果てに」読了。帯に「遺体安置所をめぐる極限状態に迫る、壮絶なるルポルタージュ」とあるように、震災直後の釜石市での遺体処理を題材としたドキュメンタリーです。テレビなどではあまり語られることがなかった震災直後の遺体処
吉田恭教「変若水」読了。島田荘司が選考と務める「ばらのまち福山ミステリー文学新人賞」の本年度優秀賞受賞作品。島根と広島の県境にある山村に伝わる奇祭と狂牛病に似た奇病および連続する脳卒中による関係者の死...土着ミステリーと先端医療サスペンス
香納諒一「心に雹の降りしきる」読了。ハードボイルド小説や本格警察小説で知られる作者の最新長編。450ページとい大作警察小説です。7年前に起こった女児誘拐事件と現在連続殺人事件に、一匹狼の刑事が挑む...登場人物が多く、描かれる人間関係も複雑
誉田哲也「ドルチェ」読了。本格警察小説や映画化もされた「武士道シックスティーン」など非常にバラエティに富んだ作品で人気の作家による最新連作短編集。練馬署強行犯係の42歳独身女性刑事が主人公の警察小説です。この作家には女性刑事「姫川玲子」シリ
中山七里「要介護探偵の事件簿」読了。「さよならドビッシー」「おやすみラフマニノフ」といったクラッシック音楽界を舞台にした丹精なミステリーを書くと思いきや、「連続殺人鬼カエル男」のようなスプラッター系サイコ・サスペンスも書いてしまう作家の最新