読書日記「母アンナの子連れ従軍記」ブレヒト 作2005年に上演された台本を文庫用に再訳。それを機に「肝っ玉おっ母とその子どもたち」として知られるタイトルを変更。17世紀の宗教戦争下、娘や息子たちとともに幌車を引き、部隊に連れ添いながら兵隊たちに日
読書日記「出身国」ドミトリィ・バーキン 作1964年生まれの謎のロシア人作家短編集。デモーニッシュなイメージが横溢する文体。暴走する詩的観念。言葉の魔力にゾクゾクとする。「荒廃は石にさえ浸透して壁に宿ったのだが、その壁にこそ極限の孤独と残酷な時
読書日記「黒いピエロ」ロジェ・グルニエ 作フランス青春小説。主人公の青年はクリーニング工場のせがれで、軽トラでホテルなどを回りリネンを回収している。また眼鏡屋のバイトも重ねて家計を助ける毎日だ。彼の交流関係には子供の頃からの友人で、太った金
読書日記「オデッサ物語」イサーク・バーベリ 作ソビエト連邦黎明期。黒海に面するウクライナの地方都市オデッサに育った作者が、当時のユダヤ人社会を舞台に語る短編物語集。伝説のギャング「ベーニャ・クリク」を主人公にした数編と、作者自身の少年時代を