読書日記「地獄変相奏鳴曲」大西巨人 作第一楽章から第三楽章まではずいぶん前に書かれたものである。戦後日本人民党の細胞として、鏡山県の一地方で部落差別問題や再軍備反対の学園闘争に地道かつ誠実に取り組む主人公の姿を描く。しごく真面目でまっとうな
読書日記「夜と霧の隅で」北杜夫 作「夜と霧の隅で」:第二次大戦下、敗北間近のナチスドイツ。回復不能な患者たちをガス室へ送り込む政策に翻弄される精神病院が舞台。少しでも抵抗しようと無謀な回復治療に走る医師やユダヤ女性を妻に持つ日本人患者の悲劇
読書「貧乏サヴァラン」森茉莉 著食べることと料理が大好きな森茉莉の食に関するエッセイ。久しぶりに森茉莉を読んだが、やはりハズレのない面白さ。ごくふつうの食材も絢爛豪華なご馳走に思えてしまう饒舌な文体。これがまたユーモラスで間違ってもグルメを