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日記一覧

「精神と自然」
2017年01月30日21:58

読書「精神と自然」ヘルマン・ワイル 著数学家ワイルの講演録数編。存在や時間など形而上的な関心はあってもいわゆる哲学書には辟易している自分。しかし数学からアプローチしていれば何かしら発見するところがあるのでは?という思いで読んだ。もっとも数学

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「田紳有楽」
2017年01月26日21:56

読書日記「田紳有楽」藤枝静男 作かなり以前に読んで強い印象があったものを再読。庭の池の底に潜む茶碗や丼鉢が自在に空を飛び、また地下水脈を移動する。はたまた人間へと化身して女を口説き落とす。ぐい呑は金魚と交合して子供を作る。ここまでやりたい放

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読書日記「カインの末裔/クララの出家」有島武郎 作「カインの末裔」:かなり以前に読んで強い印象があったものを再読。北海道の厳しくも美しい情景描写が実に味わい深く、こういう文章が自分の数少ない現代文学体験ではなかなか得られない。1917年、ちょう

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読書日記「白夜/おかしな人間の夢」ドストエフスキー 作「白夜」:他の作品でも感じたが、ドストエフスキーというのはリアリズムではない。往来でいきなりあった二人が話し始めるのだが、自身の自意識の内容を文学的表現を駆使して1ページくらいにわたって

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「桶物語・書物戦争」
2017年01月20日21:34

読書日記「桶物語・書物戦争」スウィフト 作父親から遺言とともに上着を譲り受けた三兄弟。遺言書に曰くこの上着は長く大切に守り、いささかなりとも手を加えることがあってはならない。当初厳格に父親の言いつけを守り、かの上着を着込んで社会に勇躍しよう

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「白魔」
2017年01月13日21:53

読書日記「白魔」アーサー・マッケン 作マッケンという作家は幻想文学の作家ではあるのだが、どちらかというとファンタジーの部類と思う。この「白魔」も以前読んだものもそうだが、何か不思議な世界、神秘的な世界へだんだん入り込んでいく。それは暗い森を

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「透明人間」
2017年01月10日22:14

読書日記「透明人間」H.G.ウェルズ 作ウェルズはSFと言っても怪奇幻想小説のような手触りがあるので読みやすい。ポーやスティーブンソンからの流れで楽しめる。誰でも知ってる「透明人間」だが、透明人間の悲しみ・悲哀とでも名付けるべき話で、主人公の自業

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読書日記「ラサリーリョ・デ・トルメスの生涯」やはり16世紀半ばともなると作者不明の作品もあるのか。当時のスペインで爆発的な人気を博した小説。貧しい生まれ育ちの少年ラーサロは、口減らしの為なのか盲目の説教師の手を引く役となって独り立ちする。とこ

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「ドウエル教授の首」
2017年01月05日21:43

読書日記「ドウエル教授の首」アレクサンドル・ベリャーエフ 作怪奇SFの世界。死者の首を体から分離してチューブ類につなぎ、栄養を送り込んで生かしておく技術を開発したドウエル教授。功名心にかられた弟子の教授によって殺されて自身が首だけの存在となっ

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読書日記「シュルレアリスム宣言・溶ける魚」アンドレ・ブルトン 作ブルトンという人はシュルレアリスム運動を指導した人だけに、いささか論理的で硬直したイメージを抱いていたがまるで違った。この宣言も真っ先に熱気が伝わってくるなにかヤケクソで書かれ

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