読書日記「日本三文オペラ」開高健 作つげ忠男さんが最も影響を受けたと語る小説。アパッチ族については小松左京を読んでいないし、梁石日の「夜を賭けて」も途中で挫折しているが、この作品は面白く読めた。舞台の大阪砲兵工廠跡地は自分が子供の頃まだ残っ
読書日記「眠りなき狙撃者」ジャン=パトリック・マンシェット 作兵隊上がりの殺し屋。仕事として殺人を重ねていると、自身も狙われる身となってしまうのか。恋人や旧友を殺されながらも、新しい殺人を重ねねばならない。いろいろな種類の銃を分解・組立て使
読書日記「競売ナンバー49の叫び」トマス・ピンチョン 作主人公エディパは大富豪の遺産管理人に任命され、不倫相手とともに調査を開始するが、まもなく不思議な消音ラッパのマークがついた郵便切手の謎に直面する。それはアメリカ郵便事業の闇の歴史であった
読書日記「百年の孤独」G・ガルシア・マルケス 作密林を切り開いて街を育てあげた一族の6世代に渡る百年。予言や錬金術が本気にされ、地球が丸いことも知らなかった人々がしだいに近代化されてゆく。ジプシーが外の世界からもたらす最新の科学は魔法扱いさ
読書日記「秋風秋雨人を愁殺す」武田泰淳 著近代中国成立以前の革命期に鮮烈に生きて死んだ女性革命家秋瑾(しゅうきん)の評伝。孫文の成し遂げた革命以前に多くの若者が運動に身を捧げて犠牲となっている。秋瑾もその一人。極めて激しい性格で、運動のリー
読書日記「地図と領土」ミシェル・ウエルベック 作ウエルベックは以前「素粒子」を読んだときに、そのセックス描写の多さに辟易した記憶しか無いが、当時の読書日記を読み返してみると、登場人物の虚無的な人生に感動している。この「地図と領土」ではそんな