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日記一覧

軍艦史(90)
2016年06月30日11:25

フランスのジューヌ・エコールは、日本にも大きな影響を与えた。明治政府は発足して間もない陸海軍の強化のため、欧米から派遣武官を迎え入れていた。イギリス、フランス、プロイセン(ドイツ)などからである。その一人にフランス海軍の海軍技術者、ルイ=エ

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軍艦史(89)
2016年06月29日08:53

フランス海軍が建造した、世界初の動力機関駆動潜水艦プロンジュール。その動力は圧搾空気であった。12.5気圧に圧縮された空気をタンクに詰め、その力でピストンを動かすレシプロ式エンジンで駆動した。圧搾空気は23個の空気タンクに詰められていて、そ

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軍艦史(88)
2016年06月28日07:00

圧倒的に世界最強のイギリス海軍。これに対抗するため、フランス海軍では「ジューヌ・エコール」と呼ばれる、戦略思想が提唱されるようになった。ジューヌ・エコールとは、フランス語で新生学派という意味になる。まあ新しい思想、というところか。大型の装甲

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軍艦史(87)
2016年06月27日08:20

アイアン・クラッド・ウォーシップ、つまり装甲艦が砲撃戦の中心となると、より強力な大砲を搭載したほうが有利になる。装甲を施している、敵の装甲艦を撃破しなければ味方の勝利は無いからだ。そうした切り札となる大砲を搭載した艦がやられると、これまたま

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軍艦史(86)
2016年06月26日07:27

露土戦争でロシアが、自航式魚雷でオスマン軍艦を沈めると、魚雷とそれを搭載する水雷艇というのが注目を浴びることになった。小型で安価に造れる水雷艇で、それよりはるかに大きくて高価な大型軍艦を沈めることができる。このことは各国の海軍にとって非常に

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軍艦史(85)
2016年06月25日06:17

日本で軍拡八カ年計画が発動し、軍艦大増強へと向かっていくのだが、ここで当時の軍艦の技術動向についてまとめておこうと思う。南北戦争ではモニター艦と水雷艇という新しい軍艦のタイプが登場した。潜水艦も出たけど動力機関が無く人力では、まだ潜水艇とい

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軍艦史(84)
2016年06月24日13:25

1882年朝鮮での壬午事変により、朝鮮において日本と清が完全に睨み合う格好となった。近代化改革によって自衛力をつけてもらいたい日本と、これまで通り清の隷属国のままとしたい清の間で、のっぴきならない対立となる。この1882年から、日本では「八

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軍艦史(83)
2016年06月23日07:00

日本の装甲艦3隻によって泣き寝入りさせられた清は、早速近代軍艦を発注した。1881年からドイツで起工された2隻の装甲艦。これは1885年に清に引き渡された。その2隻というのが、定遠と鎮遠である。この2隻を中心に清は「北洋水師」を創設する。今

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軍艦史(82)
2016年06月22日08:13

台湾出兵なんかがあると、流石に日進1隻だけじゃヤバくね?ということになって、1875年に明治政府は、大英帝国様に対して軍艦3隻作ってちょ、と注文した。今度は木製なんかじゃなく、最新のトレンドに乗っかった装甲艦である。そして出来上がったのが、

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軍艦史(81)
2016年06月21日08:20

江華島事件というのは、ソウル近郊で現在では国際空港のある仁川市。この仁川市の沖合にある江華島というところで、近辺海域の測量中だった日本の軍艦「雲揚」が、江華島にある砲台から砲撃を受けたため、報復として砲撃戦のすえ兵が上陸して砲台を焼き払った

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軍艦史(80)
2016年06月20日08:23

日本海軍が最初に行った対外遠征である台湾出兵によって、日本と清との間で琉球帰属問題というのが顕在化した。琉球は清に朝貢していたので、清の主張は琉球は我らの属国であり、日本領ではないというものだった。いっぽう琉球は薩摩藩にも朝貢していたため、

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軍艦史(79)
2016年06月19日09:21

1872年海軍省発足時、日本にはまともな軍艦が「日進」しか無かった。他には練習艦や沿岸の哨戒・測量に使える小型艦ぐらいしかなかった。この日進が日本海軍草創期の主力艦だったのである。日進は1867年、つまり江戸幕府最後の年に、佐賀藩がオランダ

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軍艦史(78)
2016年06月18日10:00

兵器関連の話を年代順に書いてきて、今はだいたい1870年代が終わったかな、というところ。ここからしばらく軍艦、それも日本の軍艦中心に書いていく。というのも、日本海軍が形を成してくるのがこの時期だから。維新後1872年に海軍省ができ、これが日

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大砲(58)
2016年06月17日12:27

1875年ダイナマイトが実用化。それまで火薬と言えば黒色火薬だったわけだが、ダイナマイトは炸薬として、黒色火薬を超える威力を持っていた。大砲の砲弾のうち、榴弾は砲弾内に炸薬が仕込まれており、着弾時に爆発することによって爆圧と砲弾の破片により

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十三年式村田銃
2016年06月16日06:14

スナイドル銃を制式小銃としていた明治政府軍であったが、発足直後の軍の装備は、各藩から徴収した寄せ集めだったので、結果的にはスナイドル銃だけではなく色々な銃の寄せ集めになっていた。そしてそれぞれの銃で使用する弾薬が異なっていたので、消耗品であ

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ウィンチェスターM1873は拳銃弾を使用した、カービンサイズの小銃だったが、拳銃弾仕様の理由はただ一つで、レバーアクションという仕組み自体が、非常に複雑でデリケートなものだったため、一般の小銃用のカートリッジでは発射時の衝撃が強すぎて、壊れ

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銃身長と威力
2016年06月14日09:24

以前に拳銃の日記で、威力について書いた。小銃についても書いてみたい。基本的に拳銃と小銃では、威力的には比べ物にならないのである。それは当たり前で、小銃の方が大型であるぶん、発射時の衝撃に強い。強いから火薬量の多いカートリッジを使用できる。現

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シャープス・ライフルも西部劇で多く登場した銃だが、西部劇+ライフル銃と言えばやはり何と言ってもこちらか。「西部を征服した銃」の異名を取る銃、ウィンチェスターM1873である。レバーアクションの代名詞、と言っても良い銃だ。ただしこの銃、見た目

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アメリカの後装式ライフルとしては最も初期の、シャープス銃は非常に人気がある銃である。西部劇映画でも再三にわたって登場している。南北戦争では、フルサイズのモデルは狙撃用として使われ、短銃身のカービンモデルは約9万挺が、騎兵隊によって使用された

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アメリカのスプリングフィールド国営造兵廠は、ヒンジド・ブリーチブロック、別名トラップドア方式による後装式ライフル銃を生産していた。この形式の銃は、かなりの頻度でマイナーチェンジを繰り返している。その中で使用カートリッジが何度か変更されている

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軍艦史(77)
2016年06月10日11:28

イタリア対オーストリアのリッサ海戦は、オーストリア艦隊の進行方向を遮るように、イタリア艦隊が単縦陣で迎え撃つ形をとった。両艦隊の配置を図式化すれば、「T」の字になる。漢字だったら「丁」の字だ。そう、日本海海戦で日本軍が採った「丁字戦法」その

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軍艦史(76)
2016年06月09日14:13

1866年のプロイセンとドイツ連邦の間の戦争、これは一般的には普墺戦争と呼ばれるが、ドイツ連邦の中の最大勢力がオーストリア帝国なのが理由だ。この戦争はわずか7週間でプロイセンの圧勝に終わる。もともとこの戦争は、プロイセンが周到な戦争準備を完

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軍艦史(75)
2016年06月08日16:03

蒸気船が一般的になり、装甲艦が登場してくると、軍艦の種別体系が帆船時代のものから変わってきた。帆船時代には主力として、敵艦を砲撃戦を繰り広げるのは戦列艦と呼ばれていたが、これは装甲艦にとって代わられた。英語で言うとアイアン・クラッド・ウォー

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マルティニ・ヘンリー銃
2016年06月07日11:05

日本陸軍の初代制式小銃は、イギリスのスナイドル銃であったが、日本海軍の初代制式小銃がこのマルティニ・ヘンリー銃である。この銃はスナイドル銃と同じく、イギリス製である。スナイドル銃はマスケットであったエンフィールド銃を基に改造して作られた銃で

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マウザー Gew71
2016年06月06日07:47

銃の歴史のなかで、重要な役割を果たした技術者と言えば、何と言ってもジョン・モーゼス・ブローニングが挙げられる。第二次大戦後であれば、ミハイル・カラシニコフや、ユージン・ストーナーなんかが挙げられるだろう。19世紀後半に活躍したマウザー兄弟も

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ガトリング・ガン
2016年06月05日14:39

19世紀になると雷管、金属式薬莢などが発明される。多数の銃弾を自動連射する機関銃の実現には重要な進歩であり、色々な試作が加速していった。ベルギーで発明されたミトラィユーズや、アメリカで発明されたエイガー機関砲。その他にも様々なタイプのものが

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明治のスナイドル銃
2016年06月04日10:15

この時期は世界各国で後装式ライフルへの転換期であり、ほとんどの国がそれまでの主力だったライフルドマスケットを、後装式へ転換していった。この改造については、アメリカのレミントン社によるローリング・ブロック方式か、イギリスのスナイドル銃が採用し

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スナイドル銃
2016年06月03日11:00

当時世界一の大国イギリスも当然後装式ライフルを開発してきた。イギリスはそれまでの制式小銃だったエンフィールド銃を、後装式に改造するという手段を採った。アメリカのスプリングフィールドM1866と同様の発想である。アメリカ人の銃技師ヤコブ・スナ

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シャスポー銃
2016年06月02日12:02

1866年のプロイセン−ドイツ戦争で、大いに威力を発揮した後装式のドライゼ銃に衝撃を受けたフランスは、早速軍制式銃を後装式に置き換えることとした。アントワーヌ・アルフォンス・シャスポーが設計したシャスポー銃が採用され、早速生産が開始された。

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大砲(57)
2016年06月01日11:47

大砲は威力が大きいほど良い。当たり前のことである。威力の大きな砲は当然だがデカイし、重くなる。どでかい大砲をいかにして移動させるかが問題になる。海上であれば軍艦に搭載させれば良いわけだが、陸上だとどうするか。20世紀になれば自動車が登場する

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