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日記一覧

2005年08月06日(土) 火垂るの墓に思うこと。 昨日、日テレでアニメ「火垂るの墓」を放送していた。私もあれを見る度に、涙を流すのだが、多くの人のように、戦争の悲劇に押しつぶされる兄妹の悲哀に泣くのではない。原作者の野坂昭如の、あの作品を書かざるを

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2005年07月13日(水) イーゼルの森のなかへ。 高校時代。ラグビー部の練習が終わると、いつも、美術部で絵描きが始まる。ドロだらけのラガーシャツのまま、椅子に腰を下ろし、キャンバスに向かい合い、パレットに油絵の具を出し、筆の毛先をしならせつつ、絵の

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2005年06月14日(火) 追悼・倉橋由美子、あるいはミシマを愛した少女のこと。 先日、小説家の倉橋由美子が永眠した。享年六十九歳。新聞では「残酷童話」の作者と説明していたが、全く浅はかな見方である。三島由紀夫、澁澤龍彦、中井英夫などに続く、我が国が

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2005年06月05日(日) 犬神流イタズラの手口のこと。 子供の頃、イタズラをしたことがないというのは、全く極めつきの不幸ではないだろうか。イタズラこそは、子供が大人たちに対して、唯一、優越感に浸れる瞬間なのだ。そこで、誰もがそれぞれ悪知恵をしぼって

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2005年05月14日(土) 犬神博士、BL執筆を依頼されるのこと。 その昔、八十年代後半から九十年代前半の間に、私はミニコミ誌でオリジナルの怪奇小説をメインに、同人活動をしていた。いわゆるサイドストーリーにも手を染めて、私がものすごく入れ込んだ作品に

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2005年04月27日(水) 内なるミシマ、あるいはディープ・パッションのこと。 ここのところ、東宝制作の「春の雪」(行定勲監督)の公開に向けて、何かと三島由紀夫の話題が周囲にぽつぽつと沸き出してきている。会社は映像が本業だから、当然、三島由紀夫の世界

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2005年04月04日(月) トラピストの君へ。 ローマ法王、ヨハネ・パウロ二世が逝去した。そのニュースを眺めているうちに、私は高校時代に教会経由で文通をしていた、北海道のトラピスト修道院のGを思い出していた。彼とは同い年で、お互い、幽霊話が好きだった

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2005年02月03日(木) 私の机の畑中純のこと。職場のそれぞれのデスクを見ていると、誰のデスクかすぐ分かるくらい、個性に溢れかえっている。休憩時間や待機時間に、私も含めたみんなは、音楽を聴いたり、本を読んだり、マイパソコンでムービーを眺めたり、ネ

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2005年01月31日(月) ささらの初恋のこと。 新潟は妙高在住のはとこ、ささらが初恋をしたと報告をしてきた。相手は誰だいと聞いたら、歌手にして俳優の白竜だという。私は正直、思いっきりのけぞってしまった。渋いなんてもんじゃない。白竜といえば・・・内田

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2005年01月04日(火) 錆を噛み、吐く。 塚本晋也監督の「鉄男」を初めて観たのは、二十歳だった。中野武蔵野ホールのレイトショーで観た時の、衝撃はいまだに皮膚感覚まで鮮やかに蘇ってくるほどだ。一緒に観た友人は、気持ち悪い、わけがわからん、ヒドイなど

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2004年12月31日(金) 山猫の遺産のこと。 今年は実に色々あったが、最後の最後になって、目玉をむくような大事件が起きた。配達証明書つきで郵便物を手渡されたので、何かなと開封したら、長野の裁判所が差出人とある。もう一度、あて先を見ると、確かに宛名

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2004年12月10日(金) 愛に呑まれる、愛を呑みこむ。 家庭教師をしている教え子の一人、亀戸水神のお嬢さんは女子中学生だけあって、コイバナとなるともう犬のようにむしゃぶりついてくる。自分が恋をするよりも、他人の恋の方が気になってしょうがないらしい。

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2003年09月08日(月)されこうべのこと。されこうべ、つまり、髑髏のことである。漢字では「曝れ頭」と書く。私は犬神を製造した際に、数匹を共食いさせた中の、生き残った犬の首を切り取って、それを祈祷師の指導の元に白骨化させたものを、今でも新聞紙にくる

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