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日記一覧

2016年のベスト
2016年12月30日12:05

 年末恒例、今年の総決算。私のベスト10(プラスアルファ)の発表。今年は邦画に目を引く作品が多かった。それと同時に洋画で、マイナーな作品があまりかからないとか、上映館が極めて少ないとか不満の残る年でもあった。 映画祭とかソフト鑑賞もあるので、

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『ワイルド 私の中の獣』 平凡で退屈なOL生活を送るアニアが運命の出会いをはたす。その相手は何とオオカミ…。毎日代わり映えしない会社生活に息苦しさを覚える人も多いだろうが、“野生に帰れ”という対比にオオカミというのは何とも象徴的。寓話ではある

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『幸せなひとりぼっち』
2016年12月20日22:43

『幸せなひとりぼっち』 自治体の些細なルールにも融通が利かないほど頑固な偏屈爺さんオーヴェ。買い物の割引で店員に難癖つけ、近所付き合いでも嫌われオーラだしまくり。だが、彼にも同情の余地がある。最愛の妻に先立たれ、職も失い、親友とも絶縁状態で

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『ヒトラーの忘れもの』
2016年12月19日13:46

『ヒトラーの忘れもの』 戦争が終わっても少年兵の悪夢は終わらない。第二次世界大戦時のデンマークの黒歴史をマーチン・ピーター・サンフリト監督が脚本に3年をかけて紐解く。 ナチス・ドイツの占領から解放されたデンマークが舞台。タイトルにある『ヒト

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『ドント・ブリーズ』
2016年12月18日01:17

『ドント・ブリーズ』 アメリカの弱者の姿が投影されている傑作ショッキング・スリラー。貧しい若者たちが大金を持つ老いた盲目の退役軍人を狙うというあまり気分のいい話ではないが、計算違いしていたのはこの老人がとんでもなくタフガイだったことが意外な

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『ローグ・ワン STAR WARS STORY』 『スターウォーズ』のサイドストーリー、重要なエピソード4につながる前日譚。EP4で反乱軍が帝国の究極の兵器“デススター”の設計図を手に入れた経緯を描く。 ハリウッド版『GODZILLA ゴジラ』のメガホンを取ったギャレ

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『ヒッチコック/トリュフォー』 実力があるのに過小評価されている人物はどの世界にもいる。なまじ商業面でヒットを飛ばすと根拠のない陰口を言われがち。そんな不条理な屁理屈を吹き飛ばす、タイプの違う二人の監督の友情とリスペクトが感じられるドキュメ

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『五日物語 3つの王国と3人の女』 世界初のおとぎ話ともいわれる「ペンタメローネ(五日物語)」を下敷きに、マッデオ・ガローネ(『ゴモラ』)がゴシックなセンスも感じさせる一大絵巻物を作り上げた。その独特の美的感はターセム・シンが好きな人にも訴

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『マダム・フローレンス! 夢見るふたり』 『偉大なるマルグリット』はフィクションとはいえ、同じ題材を基にしたフランス映画が上映されて間もないため新鮮味という点では損しているかと思ったが、夫婦とピアニストとの見事なアンサンブル劇に仕立て上げて

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『沈黙 SILENCE』
2016年12月13日02:10

『沈黙 SILENCE』(篠田正浩監督) 年明けにはいよいよマーティン・スコセッシ監督が長年温めてきた遠藤周作原作の『沈黙-サイレンス-』が公開になる。それに先駆けて1971年の篠田正浩監督作品のおさらいを。 日本でもDVDは発売されたようだが、入手困難な

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『人間の値打ち』
2016年12月12日00:16

 昨年のイタリア映画祭でも上映されていたようだが、先ごろのロードショーにも間に合わず、ようやく郊外のミニシアターでの鑑賞。すべりこみで間に合ってよかった。あせあせ『人間の値打ち』 読み物的にとても面白く書けている脚本というのが第一印象。人間

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『ハンズ・オブ・ラヴ 手のひらの勇気』 アカデミー賞短編ドキュメンタリー映画賞に輝いた『フリーヘルド』をベースにしたヒューマンドラマ。今でこそ同性婚が合法化されているが、それ以前、同性の“パートナー”は家族としての扱いは受けられなかった。 

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『こころに剣士を』
2016年12月10日02:23

『こころに剣士を』 第二次世界大戦下はドイツに占領され、その後はソ連の支配下に置かれたエストニア。そんな悲しい歴史を持つ小国に隠された実話を基にした心温まる話。 男性教師エンデルが片田舎町の学校に赴任してくるところから話は始まる。生徒たちは

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『母の残像』
2016年12月07日03:26

『母の残像』 有名な戦場写真家だった母が3年前に交通事故で他界。大規模な回顧展を前にし、未だに“母の残像”に苦しめられる遺族の様子を過去と現在をシャッフルしながら描き出す。 ヨアキム・トリアー監督は、叔父がラース・フォン・トリア―ということ

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『灼熱』
2016年12月05日00:03

『灼熱』 クロアチアを舞台に3つの時代を同じ2人のカップルで描かれる愛の物語。それぞれ別人設定でつながりはない、ではなぜ同じ人物に別の物語を演じさせたのかと問われたら、それはクロアチア人とセルビア人を代表しているということだろう。物語の背景と

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『彷徨える河』
2016年12月04日01:55

『彷徨える河』 米アカデミー賞外国語映画賞ノミネートというので気になってはいた。確かにこの作品の特質性は選ばれるに値するし、他のどれにもない独自の世界に括目せざるを得ない。 アマゾン流域で暮らす消えゆく部族のシャーマンの元へ治療のために訪れ

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『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』 『ハリー・ポッター』シリーズの過去作となる新シリーズ。原作者J・K・ローリング自ら脚本を手掛け、監督がハリポタ後期を支えたデヴィッド・イェーツ監督なので、おそらく『ハリポタ』ファンには期待通り楽

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『ガール・オン・ザ・トレイン』 ベストセラーだと聞く原作小説は未読。婦人が行方不明になるというので『ゴーン・ガール』的なひねりのある展開が待ち受けているのかと思いきや、案外とありがちなミステリーに落ち着いてしまった感がある。ただ、時系列を巧

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